私塾なんてハチロク世代には日常そのものですよ
これを読んだ。学ぶことの本質は何か、学ぶための適切な環境は何か、学びを喚起する姿勢とは何か。軽い感じで重いことを語った教育論。一回目は頭で読んで何も残らず、おかしいなと感情主体で二回目を読み、やっとわかった。
- 齋藤さんの主張することには非常に反発を覚える
- 梅田さんの主張することはさほど新しい感じがしない
この両極端の印象が僕にとってのこの本のすべてだった。
サイトウサンの主張することはとても正しい。正しいけれど、まったくといって良いほどwktkしない。名文を音読。三色ボールペン。「型」による教育。うん。とても正しいし、きっと齋藤さんの方法が広まれば日本は良くなるだろう。
でも僕個人としてはまったく面白さを感じなかった。
そもそも僕は型が大嫌いで、とくに次の一節にはうえーと思った。
大学でも同じようなやり方で、「二人一組で(講義内容を)再生して…」などと言うと、その瞬間、教室から出て行こうとする学生がいます。そうすると、「ちょっと今出て行こうとした人、ストップ。名前は?そのまま出たら、単位はないと思ってくださいね」と(笑)
僕だったらそのまま教室を出て、その授業は切るに違いない。
二人はいうなれば教育者と開拓者で、ここまで違う二人が語り合えていることに驚き、そうかこれが大人の流儀というやつか、などと思った。僕はまだ、相容れない主義を持つ人と穏やかに語り合えるほど大人ではない。フランクリン・コヴィーの言う
同じ意見を持つ人が二人いれば、そのうちの一人は不要である
この領域まで達していない。未熟を恥じた。
自分の志向性にあった学びの場を捜し求める。梅田さんの回答はきわめてシンプルかつ何度も主張されてきたもの、すなわち「Web」である。Webで出会った、志向性を同じくする人と集って学ぶ。「ふーん、そうだよね」以上の感想を抱かなかったのが正直なところだ。
僕の身の回り、とりわけハチロク世代では*1オフ会のノリで勉強会、開発合宿、研究発表会*2などしょっちゅう行われている。
先日も僕はtokyo-emacsに触発されてVimM (Vim Movement)という勉強会を立ち上げ、7/19 or 20*3に第一回目の勉強会を開催することにした。
"私塾"を先陣切って開くと何が嬉しいかと言うと、
- たくさんの人と知り合える
- スキル、知識、経験値が向上する
- 日常で脳が無意識に"私塾"に関連するテーマをスキャンし始める
- 他の人に楽しんでもらえる
というように「私熟」が加速されるのです。*4
梅田さん、齋藤さん、ハチロクの精神*5に共通しているものは「学び続けることと、学ぶ環境の重要性」だ。
ハチロク創立者であるところのid:yuyarinの言葉を借りれば
そういうわけでグループを立ち上げた人間としては専門分野は問わないつもりです。たとえばゲームを作るにしてもプログラマだけいても仕方がないでしょう。シナリオが書けてグラフィックが描けて音楽を奏でられて、初めて僕たちのよく知るゲームの完成形になると思います。同分野の知り合いは作りやすいですが、異分野の知り合いを作るのは結構難しいと思います。このグループがそうした異分野のつながりのきっかけになればいいと思います。
このグループって……? - yuyarinの日記@gen86 - ハチロク世代
同世代が集まって馴れ合ってやんややんや騒ぐだけのグループにするつもりは無いです。
てなわけで、私塾、まにあってます。