ミームの死骸を待ちながら

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators. We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators. - Richard Dawkins "Selfish Gene"

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators.
We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators.
- Richard Dawkins "Selfish Gene"

エンジニアが一緒に働きたい人間ってどんなんだ?

黙れ小僧!お前にあの娘の不幸が癒せるのか。スペシャリストにもなれず、マネージャーにもなりきれぬ、哀れで醜い可愛いわが娘だ。



(Mさん、山犬、森林在住)



最近、表題のようなことをよく考えている。エンジニアが一緒に働きたい、と思える非エンジニアは、どんなタイプなんだろうね。まぁエンジニアの細かい定義は置いておくとして。


数年前からわかっていたけど、僕はエンジニア向きじゃない


もちろん、僕に出来ないことをやってのけるエンジニアはすげーと思うし、尊敬もする。友人にもエンジニアは多いし、はてな界隈で話題のネタを追っていたらイヤでも眼に入る*1

それでも、僕は彼らと同じフィールドには立てないことが、どうしようもなく自覚できる。どうやら僕自身にエンジニアの適性がないようだし、今までの積み重ねも違う。のめり込めない。基礎の基礎からしっかり学んでいる人に、追いつける気がしない。
追いつくだけの学習コストを払うくらいなら、別のことに時間を投資したいと考える。そう考える僕は、要は思考の有り様からして、向いていないんだろう。


そういう訳で、僕はエンジニアにはなりきれない。


ところが、僕自身がエンジニアになれないとしても、

  • 「仕事の範囲を広げ、クオリティを高めるため」
  • 「僕自身のやりたいことをやるため」


に、エンジニア的能力*2が必要である。(業界要因もあるのだろうが)仕事をしていく上で、ああ、これはエンジニア的能力があるとずいぶん可能性が広がるな、という場面に日々遭遇する。

そのエンジニア的能力を自分自身の中に蓄えてもいいが、前述の通り、僕が将来蓄積できるであろう(or, 現在できている)能力は、他に比肩しうるレベルでは決してない。哀しいことに。



そう考えた末に「エンジニアが一緒に働きたい人間」になりたい、という志向に辿り着いた。現在の中長期的な目標と見なしても良いかもしれない。
※正確に僕の考えを表すなら「(エンジニアに限らず研究者なども含めた)特定の分野の"スペシャリスト"が一緒に働きたい人間」、となるのだけど。



ところがその方法がよくわからない。さてどうしたものだろう、と30秒で考えて箇条書きしてみると、こんな感じになった。

  1. 『疎通』
    • 技術の言葉が通じること。技術を理解する姿勢を持っていること。知ったかぶりをしないこと。
  2. 『補完』
    • エンジニアには出来ない部分をフォローしてくれること。役割分担をわかっていること。
  3. 尊重
    • 使う側使われる側という意識ではなく、対等なパートナーとして付き合えること。


この3点を意識していることは重要だとは思うけど、抽象論しか出てこない。だめだ。というわけで悩んでいる。


リチャード・ドーキンスは『延長された表現型―自然淘汰の単位としての遺伝子』の中で、遺伝子の表現型効果は生物個体の枠に留まらず、他の個体まで"延長されて"いると論じた(記憶ベースの超要約)。

これと同様に、人間個人という枠を越え、自分の中にある才能であれ、他人の中にある才能であれ、等しく利用可能になれば良いと思う*3
同様に、僕は僕自身の中にある才能(そんなもんがあればの話だが)を広く利用可能にしたいとも思う。

そうなれば、個人のできることはもっと広がると思うのだが、、どうだろう。


まあ、これまた理想論だ。そのための具体的論は、僕が、エンジニアが一緒に働きたいと思える人間になれた後に、ゆっくり考えていくとしよう。


そもそも今回の記事のきっかけになったのは、


[Web開発者のための]大規模サービス技術入門 ―データ構造、メモリ、OS、DB、サーバ/インフラ (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
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を読んだことだった。

会社で『Webを支える技術』を読んでいたらid:rindai87に「たぶん今読むなら続編の『24時間365日 サーバ/インフラを支える技術』とか『Web開発者のための 大規模サービス技術入門』の方が面白いぞ。ちゃんとしたWebサービスの運用方法がわかる」と言われて買ってみたものだ。なるほど、確かにこちらの方が面白い。今やってる仕事がWeb屋もどきだからだろう。


特に『Web開発者のための 大規模サービス技術入門』の方は、はてなインターンで行われた講義を元に書かれた本であるらしく、それを読んだときに、そうか、id:syou6162id:yaottiid:suztomoはこんな面白く・ハイレベルで・本質的なことをやってたのか。これはもう経験の濃度が違うわ。

と思ったことが、冒頭の疑問に繋がったのであった。

関連?

*1:別にイヤじゃない、むしろ好きだけど

*2:才能+努力の蓄積

*3:同様じゃねーよというツッコミは置いておく