Egretlist - 究極のEvernote連携GTDアプリ
これだ。こーゆーのが欲しかった!
Egretlistという iPhone アプリがある。iTunesはこちら
いろいろとGTD / TODO管理アプリを使ってきたが、今のところコレがベストだ。
とにかくなんでも毎日「すごいすごい」と浅い紹介を繰り返すスタイルのブログと違って(失礼)、このブログは基本的に僕の思考をバラして晒して残すための場所であるため、めったに何かを推薦する記事を書かない*1。そんな僕がブログで個別に取り上げて記事を書くということは、そういうことだ。
Evangelistっぽい名前の(?)Egretlistは、RTM(Remember the Milk), "TODO", Google Tasks等の純粋なTODOマネージャではないし、かといってFastEver, 公式Evernoteといった他のEvernote iPhoneクライアントとも一線を画している。
以下、何が凄いのか+個人的に気に入った点をつらつらと挙げていくとする。
こんてんつ
Static: EverNote とFlow: iPhoneの連携
GTD, lifehacks 的なツールを使う際に一番の関心事は「継続性」...すなわち「この方法でずっと続けられるのか?」「今の蓄積はこの先も生きるのか?」という問題だと思っている。
継続性問題を解決するためには「一カ所にまとめる」ことが重要で、一カ所にまとめるために世のライフハック中毒者達は四苦八苦している(勝手な印象)
僕は1年以上前からDigital記録媒体をEverNoteに統合している。
TODO管理アプリとしてEverNoteと連携してくれる。ということはすなわち、なじみのEverNoteプラットフォーム上ですべてが完結するということだ。
どちらかというとEvernoteはStaticな使い方をするサービスだと思う。そのため、単独ではFlowへの対応が弱い。とりわけGTDを実行しようとすると、刻一刻と変化するTODOをうまくハンドリングしてやる必要がある。
そこで、iPhone等のモバイル環境が重要になる。iPhoneからTODOをチェック・更新することで、Flowに対応するのである。
Egretlistを使うまでは、これらの操作を別所で行う必要があった。というか、EverNoteのチェックリスト機能を、それほど重要視していなかった。Evernote上の「自分ルール」でこのギャップを吸収していたが、素晴らしいことにEgretlistにはこのギャップをマネージする仕組みが揃っている。
TODOメインで潔い
Evernoteではサブ機能に甘んじているTODOに目を付けた。機能を絞り込む潔さ。「見せ方」を変えることでここまで拡張性が出て、使いやすくなるのか、、、と感心した。制作者はきっと日々GTDを実行して、不満点やら重要な点をわかっているに違いない...(推測
たとえば、Egretlistの画面下に、TODO追加用タスクバーが表示されている。
Egretlistを確認中に、その場で思いついた項目を素早く追加できる。TODOやタスクを眺めているとそれに紐付いていたりいなかったりするTODOを思いつくことがよくある。
流石わかってるなー、という印象。
また、「どのノートブックに追加するか」「何のタグを付けるか」という設定もさることながら、
「既存のリスト(TODOの集合体)に追加するか、新規単独のTODOにするか」も選択できる。
一応添付画像やメモ追記*2機能もあるんだけど、あくまでサブ/遊び要素だ。デザインには凝ってて面白いんだけどな。
ちなみにEgretlistでは、"Archives"から完了したTODOを一覧できる。まぁ、これはEverNoteでも Attributes > Finished to-do items で確認できるけどね。
てなわけで、EverNoteのインターフェイスに全く囚われずにiPhone TODOアプリとしての便利さを追求し、それでいて、ちゃんとEverNoteでも「意味のある」操作に落ち着いているのが秀逸。よく考えたなと思う。
EverNoteのTAGと連携したGTD的カテゴリ。
Egretlistは、EvernoteのTagと連携して、GTD的なTODOのカテゴリ分けをサポートする。
Egretlistは以下のCATEGORIESを用意している。
- Next
- Contexts
- Projects
- Responsibilities
- Goals
- Roles
- Someday
このカテゴリ分けは『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』を初めとするGTDの理屈に乗っ取ったモノであり、僕自身、Evernote上のtagを使って、これまた(不完全ながら)「自分ルール」のGTDタグで運用していた。
Egretlistでは、Evenoteで設定したtagを、Egretlistの"CATEGORIES"に結びつけることが出来る。実に素晴らしい。
ちなみに、ひとつのカテゴリを複数のtagに結びつけることができるし、他のカテゴリに利用したからと行って別のカテゴリに使えないというわけでもない。
例えば僕の場合、EverNoteに「こーゆーことやりたいなー」というリストを作って、wantというタグを付けていた。中身を見て見ると、
- 黒帯取りたい
- iMac欲しい
- ...etc
...という内容が登録されている。
この場合、Evernoteの"Someday"カテゴリーを、Evernoteの"want"タグに結びつければいい*3。
すると、Egretlistの"Someday" CATEGORYから、EverNote上で"want"タグを付けて登録したチェックリストを一覧することが出来る。
ResponsibilitiesとGoalsとRolesの階層
このへんややこしいが、使いこなすとかなり強力になる(はず)。説明文を抜き出すと
Since Projects can be related to responsibilities, you can optionally assign them to responsibilities.
とのことだ。Goalsを例として説明すると、Goalsには何らかのTagを1つ登録し、さらにProjectsカテゴリに登録されたtagを複数選択することで1つの"Goal"が用意される。
複数のTODOステップから構成される メタ要素"Projects" を、さらにメタメタに集めているのがこの3種のカテゴリ、という想定であるらしい。つまり以下のようになっている。
TODO < Projects < Responsibilities/Goals/Roles
ついでに言うと僕は、この階層分けを見て
「もっとプロジェクトを持とう」
と感じた。個々のタスクではない、中長期の目標を設定する。中長期の目標=プロジェクトは特定の世界に限られたものであってはならず、むしろ、多種多様な世界観において偏在するモノでなければならない。
仕事に限らず、Projectsを分解したTODOのかたまりを持つことは、視野を広く保つことを助けてもくれる。
"科学的方法"だの"対象のための非実験グループ"だのについてまじめくさって話したいということじゃない。ただ、いろんなことを楽しくやって、新しいことを試してみて、いつもしっかり目を開けておいてほしいってことなんだ。
『 仕事は楽しいかね?』, p.89
機能から考え方に関する気付きを得られる。
僕にとってEgretlistがスゴイのは、一言で言うと
「使う場面をイメージして、必要な機能を考え抜いた機能を実装」していることにより、
「考え方」にinspirationを与えてくれる点だ。
Responsibilities, Goals, Roles, Somedays...などのカテゴリ分けは、日々の全体像を見渡すきっかけを与えてくれる。上記の項目で既に「もっとプロジェクトを持とう」という表明を行ったが、これもその一つだ。
視野狭窄になりがちな毎日の中で、ほんのちょっと、外に目を向けさせてくれる。CATEGORIESに当てはまるようにEvernoteを整理して、ずいぶんすっきりと(頭もEvernoteも)した。
また"「万能記録システム」を目指して作成されているEverNote、そのTODO機能のみをサポートする"という方針から学べるのは「特化する」価値だ。
誰もが万能を志向せずともよく、役割分担を明確にすれば概ね幸せに生きることが出来る。
行動からツールを選定する過程は極めて一般的であるが、逆に、ツールから行動を見直すきっかけを与えられる機会は、そうそう無い。
このへん戯言気味だけどご愛敬。
要望とか欠点
もちろんEgretlistも万能ではない。個人的に改良して欲しい点は以下の通り。
- ユーザビリティーに難あり
- 例: list入力画面でバツボタンとSave&Closeのアイコンが一貫していないし、そもそも位置がいみわからん。バツはキャンセルなのだけど、まるで削除の様に見える↓
- 起動が遅い
- 思いついたTODOをパパッと登録するには遅すぎる*4
- CATEGORIESを紐づける相手として、TAGだけじゃなくNOTEBOOKも選択可能にして欲しい
- 例えば僕は仕事関連のNoteにタグを付けているわけではなく、Notebook単位で管理している。仕事関連のメモはすべて特定のNoteBookに入れているわけだ。だから、ResponsibilitiesやRolesの対象としてTagだけではなく、NoteBook単位でも選べるといいな、と思う。
- ポップな見た目は好みが分かれる
- もっとスッキリした玄人好みのスタイルにすることも出来ただろうに、あえてデザインを遊んだあたりは好みが分かれる所。僕は好きだが。。
まとめ
Blog
書籍
『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』でまとめられたDavid Allenの理論がいわばBible*5で、それを如何にして実装レベルまで落とすかが、個々のツールの(GTD業界中での)価値を決めている。
この、「理論の実装」とうい観点から見れば、Egretlistは機能としては見事にツボを突いているし、必要なだけの柔軟性をも備えている(例: "Contexts"カテゴリに対応するタグは必ずしもEvernote上で"Contexts"というタグを付けられている必要はなく任意の名前を利用できる、等)
これが350円は安い。
また、EverNoteとがっちり連携していることで、たとえEgretlistの開発が止まろうとも、EverNoteさえ残っていれば今までの継続は無駄にならない*6。この点も大きい。
最近 Evernote API を申請&取得して、さて何して遊ぼうと思っていたんだけど、 Egretlist に先を越されてしまった感がある。くやしいような、嬉しいような。
おまけ
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