二週間前の騒ぎをこっそりシメる
プログラマーに比べ、バイオ研究者に飛び抜けた才能が現れない理由のひとつ - ミームの死骸を待ちながら
はてなのトップに載るという快挙を成し遂げて二週間。言及トラバも途絶え、じわじわ増えてたブクマも動きがなくなった。なんだか貴重な体験だったが、不思議と自然に受け止められた。まぁ、所詮はネット上の小さな祭りの一つだし。ホッテントリなんて毎日ぽんぽん入れ替わっているわけだし。といいつつ言及されたエントリをプリントアウトして手帳に挟んでいるとかいないとか (うれしかったらしい)。
そんなこんなで皆の関心も冷めたところで、自分自身のためのシメ的エントリを書いておこうと思って、ちょいちょい考えていたものを放出するよ。「読んだよ」という通知の代わりにトラバを送ってみる。
注目されている記事の中に「ケッ」ってニュアンスのコメントを入れたい心理はすごくよくわかる。わかるのだが、いざ自分が頑張って書いた記事に「ネタ」タグ付けられたり、嘲笑的なコメントを付けられると、まぁ、正直、むかつく。
反対意見を食らうとカッとなって否定したり反発してしまい、よくない。反論する必要のないところに反論したり。このへん、自然に対応出来るのが大人ってやつですか。
逆に自分の行動を顧みれば、相手を説得するとき、反射的な反発を引き出さないようにすると良いわけですね。まったくできてないけど。
なりたい人間。
相手が自分と違う意見を持つとき、反応的にならずワンステップおいて対応する。攻撃ニュアンスを超えたところに価値ある情報が存在する。ただの攻撃は右から左に受け流す。
あとは論理的な議論の習慣づけか…。
アルファな人々は日々大量のフィードバックをうけ、他人の意見とのつきあい方を学べる訳か。自分の脳が拡張されたようなものか。特権やな。
id:dankogai氏が降臨しました
何がびびったって、言及されたことよりもdankogai氏が元分子生物学専攻だという事実。
404 Blog Not Found:In Vivo, In Vitro, In Silico - 留まってるだけでもスゴい
元分子生物学専攻で、ドロップアウトを経て今IT長者(笑)のオレがきましたよ。
そんなん初めて知った*1。あの人はレベルが高すぎて変な反発心が起きてたんだけど、なんだか親近感を感じるようになったw
でもそのワリに彼にとっての分子生物学は知識の一つに収まってしまっている感があって、中の人的な意見が出ないなぁ。
404 Blog Not Found:In Vivo, In Vitro, In Silico - 留まってるだけでもスゴい
むしろ「ウサギ」ばかりに囲まれている業界にいると、「カメ」でないとやっていけない業界にすごさを感じるし、他の自然科学にくらべたら、バイオってよっぽど「ウサギ」的じゃないの。
僕はせっかちなのでカメペースで歩いていくことに不安を感じる。うちの教授が典型的な「カメ」肯定派で、修士で留学してかつ留年せずにマスター取りたいと言って教授に怒られ、就活では文型就職も含めて色々見てみたいですと言えばそんなのは時間の無駄だと教授に怒られ。
まぁ、結果も出してない、現実もわかっていない若造が何か生意気なこと言ってるからとりあえずたたいて潰しておく、という考えはわからんでもない。わからんでもないけど。けど…。
性格が合わない。もうそろそろ割り切るべきなのか。
僕のことはいいとしてバイオに話を戻すと、たぶん大抵のサイエンスには炎上タイムがあって、今は生物学が20世紀初頭の物理学みたいな状況なのかもですね*2。加えて隣の芝状態かもですね。
id:rindai87が卒研発表会で言ってたけど、データをうまく扱い切れていない感じがするのです。マイクロアレイのデータが実験屋さんから届けられたら、もうそれが正しいと信じて解析するしかない。一方の実験屋さんは再現性の取れない実験を繰り返し、たまに教授の意向に沿うデータが出たらそれが正しいということになる(多分に偏見が入っています)
つまり言いたいことは、データ出るのはいいけど果たして法則は見つかるんでしょうかね、という愚痴。なんかデータの出し方がかなり恣意的で、Natureを探求するより結果を出す(そして名声を保つ)ことを目的としている気がするのですよ。うちの研究室だけかな。ともかくそんなデータをためて、無機質で均一な定量データとして扱って*3、何が見えてくるんだか。
in vivoから抜き出してin vitro、デジタル化してin silico。in silicoが適用できる分野には早熟の才能出るんじゃない?と言うdankogai氏。
小飼弾氏の言うin silicoがどのへんを指すのかわからんけど、まだ科学サイクル (仮説 -> 実験 -> 検証) を加速させるには至っていないとおもう。シミュレーションで解決できる問題でもないだろーし。天才マダー?(AA略
赤の女王の中の人が反応してくれました><
2008-04-14 - 赤の女王とお茶を
ぶっちゃけ私も学生の頃、「その場でクルクル回転し、熱を与えると緑色の斑点が光りだすC. elegans」、なんてのを作って遊んだことはあります。専門の人間から見ると全然大したことないんですが、フツーの人が見ると驚くでしょうね。
な、なんという楽しいことを…。
id:sivadさんは日本社会に対する深い考察に(僕の中で)定評があるため、生命科学者だということを忘れかけてました。
遊び気分で実験できる、というのは重要ですね。そういえば進化シミュレーション的なゲームは結構あるな。古いとこではポケモンやらたまごっち、レミングスとか。RPGも育成・成長ゲームと言える。
あ、進化ゲームと言えば、ポケモンリアルジェネレーション発売してほしいです。
Hacked By Double-x
ゲーム、アニメを通じてポケモンシリーズの重要な要素だった「進化」について、「科学的考証が不足している」との指摘が多いことを受け、描写を見直したのが今作の大きなポイントとなっている。
むかし僕はゲーム中毒症だったからよくわかる*4が、思春期にゲーム・小説・マンガというフィクション世界から獲得する世界観はその後の人生観に大きな影響を与える。その世界観がリアルと合わない場合、周りから中二病中二病といじめられたり現実に奔走する間に忘れていくけど、リアルとわずかしか違わないフィクション、異常なほど大きなインパクトを持って受け止めたフィクションは、大きなインパクトを持つリアルのイベント同様、根強く残る。
あれ?また脱線した。
思わぬ収穫
2008-04-14 - 赤の女王とお茶を
しかし、こんな風にバイオ系の人間がネットにどんどん出てきてくれると面白いよね。できれば教授クラスの人ともガチで対話できればいいのだけれど。
sivadさんも言うように、ネット上で活発に動いてるバイオ人ってあまり見ない。しかし今回のエントリに反応した人の中で、何人かバイオ系の人を補足した。ほくほくである。中でも身近に感じた人がふたり。
id:yun__yunさん
DryとWet - 終始一誠意
分子生物学+プログラミング+マッドサイエンティスト志願、と興味の方向が全く一緒であるばかりか、同郷であることが発覚した。○高らしい。僕の高校名を告げると「野球やってるイメージ」とのこと。ですよね><。
あと、上記記事に出てくる上田先生って@dritoshiさんのボスじゃなかったっけ…
id:mbrさん
「バイオカッコ笑いは暗闇の洞窟」 - へぴゅーNT/というわけで(ry
「(笑)」に込められたものが何となくわかる気がする。バイオがなんで難しいのか、その原因を分析してくれてなるほどーと思った。ぼんやり感じてたことを言語化してくれた感じ。
というか、mbrさんはどうやら大学が同じ。バイオインフォ(笑)専攻でドクターを卒業するようです。せ、先輩!><
まだ先は長い。
僕自身経済性とか歴史まで考えて書いたわけでなく、どちらかといえば感情主体で書いたため、論理はガタガタだった。ガタガタ故にいろいろな視点から突っ込まれ、勉強になった…というか、無知を自覚してもっと勉強せにゃなあ、と思えた。
バイオサイエンスとバイオテクノロジーがごっちゃになってるとか、
プログラマーとITがごっちゃになってるとか、
コンピュータ研究者とプログラマーがごっちゃになってるとか。
すいませんほんますいません
武器を持つ
id:Ryu-Higaさんがtwitterで言ってたことだが、何か一つ武器を持ってる人はカッコイイし、その武器が汎用的で環境に依存しない、あるいはガイアの環境利用闘法のような武器なら、身一つあればどこでも生きていける。
プログラミングにはコストがかからないという特徴には、前回書いた敷居が低い・誰に対しても開かれているという面の他にもう一つメリットがある。それはMovableであるという点。既に多くの人がコメント欄などで指摘してくれましたが。
そのへんもふまえてプログラマを取り巻く環境は特殊なのかな。生物学のスキルが汎用的になるまで、まだ受難の時代は続きますか。
もちろん、思考の手法として教訓になる要素が、分子生物学の考え方にたくさん含まれていると思うけども。
てなわけで記事はここまで。ザイガルニックメソッド(違