はあちゅうが色々凄いので同年代として負けるわけには
読書というものは、人生におけるどのステージで、どんな環境で、どんな精神状態で、直近にどんな出来事を経験してきたか...そういった、その時の動的なバックグラウンドに大きく左右される。今日は、わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?を読んで考えた事などを書いてみようと思う。
と言いつつ読んだのは結構前なんだけど、これはいい本だと思って記事を書こうとしつつ、随分先延ばしになっていた。先日渋谷で10人程度が集まった謎のランチが開催され、そこではあちゅうと久々に会ったのをきっかけに、重い腰を上げたわけだ。
あ、本の裏表紙にサインもらったよ!サイン*1。
わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか? | |
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この本は芸能人でも社長でもない普通の女子大生の私が、自分の卒業旅行につけて、タダで世界一周をした記録です。それまでずっと夢だった世界旅行。どうしても在学中に行きたかったけど、私には旅費に充てられるお金がありませんでした。そして、お金を作るために使える時間はわずか2ヶ月しかなかったのです。そんなときに頭に浮かんだのが自分の世界一周を企画にして、広告商品として売り込むことでした。
(p.2)
どの口が普通の女子大生とか抜かしてらっしゃいやがりますかというツッコミは置いといて、僕がこの本を読んでイイタイコトは3つ*2。
こんてんつ
- 同年代がすごいことやってる焦り
- 発想力と行動力、それらを貫く意志の強さ
- 自分ですべてを決定する境地
同年代がすごいことやってる焦り
僕がここでわざわざはあちゅうについてのプロフィールを書くべきかどうか迷うが、僕が彼女を最初に認識したのは、ご多分に漏れずそのブログの知名度故だった。2004年か05か、そのへん*3。
私の人生はブログで激変した。
大学1年生の時に始めたブログのアクセスが記録的に伸びて、書籍化が決まり、その後から今まで、いろいろなサイトで公式ブロガーとしてブログを書かせてもらったり、企業のブログに関するお仕事を手伝ったり、ネットラジオやネットテレビで番組を持ってタレントのような活動をさせてもらったり、商品のプロデュースをすることが出来たりと充実した5年間を送る事が出来た.卒業後の進路を広告会社に決めたことも、ブログを通して「自分の考えた企画を実現すること」のおもしろさを知ったからにほかならない。
(p.19)
最初はあちゅうのブログを見たときに、生年月日が1日違い(1986年1月21と22)だったもので妙に印象に残り、1日差で生まれた人がこんなすげーことしてるというのに一方僕のこのクソっぷりはどうしたことだ!!!!とキーボードを叩き壊しディスプレイを破壊し手近にあったグラスを粉々に割り止めに入った友人を殴り倒し勢いで馬乗りになって前歯を2,3本とまではさすがにやらなかったけどまあそんな感じの認識であった。
で、今年2月ごろ、デジタルデバイドの木下さんつながりで直接対面する機会があり、キャピキャピしたJDかと思いきや意外ともの静かな第一印象で、そして不当なまでに自己評価が低かった(=謙虚)あたりが好印象で、なんだ中の人いいじゃん、と思ったものだ。その後も数回勉強会などで同じ場に居合わせた事はあるが、まぁ、そこまで個人的に親しいというわけでもない。ちゃんと話すと面白いんだろけど!
僕は「すごい奴」が自分と同じ条件であればあるほど、「負けてたまるか」という気分になる性格だ。
しかし、例えば僕の場合はid:sotarokなど、特定の分野でとても敵わないなと思ってしまった相手に対してはそんな気も起こらない*4。
「敵わない」と思う基準はわりと高め(=大抵は対抗心を燃やす)な気がするけど、ともかくはあちゅうの本やらブログやらを読んでいると「負けてたまるか」と焦る気分になるのだ。念のため言っておくとこれはポジティブな反応ね。
本書の「タダで世界一周」は特にそのクオリティの集大成的な所がある。彼女は本書の中で「思い立った」所から計画的な行動力をもって動き、最後にはちゃんと結果が付いて来ているわけで、好き勝手に拡散している僕からすると、く、悔しいでもビクン以下略みたいな感情が沸々とわいて来て、それがいい感じにモチベにつながってくれる。
ちなみに余談だが、僕は「公な身分とブログの共存」という視点においてもはあちゅうのブログに興味を持っている。何かというと、僕も彼女ほどではないが可燃物なブログを書いていることが内定先にモロバレであるため、一年先に社会人となり勤務先に「メディア露出」としてブログを届け出て会社公認ブロガーになっているはあちゅうからは色々と学ぶ所がある、という話。
思いつきを現実に落としこむ
先ほども少し触れたように、「お金を使わずに世界一周」という思いつきを実行に移すまでの発想力と行動力、それらを貫く意志の強さ。それらが遺憾なく発揮されているのが本書の第1部。実に面白い。
で、これを読みつつ僕が考えたのは、今現在自分(たち)が「思いつきを現実に落としこんで」いる最中のプロジェクトのことだった。
現在僕は内定先の採用活動(?)にちょこっと関わっていて内定者としてベンチャーなイベントを企画開催している*5のだけど、本書から学ぶ所は多かった。
計画を立てて大胆に動いて、コケてもめげずに次に繋いで、細々した現実の問題予定からの食い違い、計算違いに折り合いをつけ、最終的に予定通りとは行かなくても、ぜんぶひっくるめて「良し」とする気概。そんなところだ。
加えて、「思いつきを現実に落とし込む」際に、大小様々な責任が生じてくる様子もリアルに描かれていてよかった。
朝起きた瞬間から夜寝る前まで、ずっと企画の事を考え、企画のために動いた。安易に何にでもスポンサーをつけようとする人が増えないように、これだけはちゃんと記しておこうと思う。
人を巻き込むということは、たくさんのリスクを抱えるということでもあるのだ。
(p.310)
タダで世界一周したというふれこみに釣られて何も考えず「うらやましい」「ずるい」などと言ったり、当然のように"利"を持って行こうとする人に対して苦言を呈しているが、その気持ちは僕も(おそらく)理解出来る。
それにしてもこの本に掲載されているはあちゅう's 企画書は実に作り方がうまい。内定者として企画書もどきを作る機会が何度かあったこの半年だが、僕らも見習いたいもんである。やっぱり内容とは別軸で見せ方が大事になって来る。
自分ですべてを決定する境地
特技が炎上とかはてな村の敵だとかまぁわりとどうでもよくて、要してしまえば彼女は「与えられたものを最大限利用した」のだろうなと思う。たまたまアクセスの多いブログを持っていたからそれを使ったまでで、ブログを持っていなくても、その発想力と行動力と意思の力で以て欲しいものを手に入れていたのだろう。
うん、これだ。たぶん僕が欲しいのはこの確信なのだろう。何の確信?自分ですべてを決定出来る、という確信だ。これは僕が究極的に欲しいものの一つであり、KGCの柴田さんに非常に惹かれる理由のひとつでもある。
「自分ですべてを決定する」ことができるという確信の根拠となるのは、確固たる経済的基盤だったり、苦難を乗り越えて来た記憶だったり、いざという時頼れる周囲の人だったり、そして、どんな環境の中でもちゃんと生きて来た記録であったりする。はあちゅうがそれを経験してまとめ上げた本書は、僕にとって、かなりプラスの意味を持つ本となった。
旅をしている状態が当たり前になってくると、思考が身軽になる。今の私なら、自分が望みさえすれば、世界中のどこにでも行ける。
(p.281)
その感覚を味わえた彼女が非常にうらやましい。僕はまだ、いろんなものに捕われたままだ。
ちなみにこれも持ってる
はあちゅうの 20代で「なりたい自分」になる77の方法 | |
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これを読んでもやっぱり「おい同世代がこんなの書いてるのに僕ときたら(ry」と焦ってモチベがupする。
僕も若いうちに本を書きたいなぁと夢想したりするけど、書籍の形に固めて発信すべき"核"が今の僕にあるかと言えば、あまり自信が無い。好き勝手に多様なテーマ、自分の関心毎について戯言を書きなぐる痛々しい文章の集大成なら作れなくもなさそうだがそれこそ誰得で、同人誌でも書けばいいじゃんという話になるのだろうなと思いつつもいやならば何か伝えるべきメッセージを切り取り固めてそれこそ企画書を作って出版社に持って行けばいいんじゃねそこまで行動していないクセにgdgd言うのは情けないんじゃねーのなどと結論のでないままにフェードアウトして行くことにする。