複数同時イメストで効果を実感、というか脳が成長痛。
イメスト(イメージ・ストリーミング)という「テクニック」というか「トレーニング」というか「遊び」というか、ともかく一風変わった代物がある。僕は高校時代から怪しげな脳ハックが好きだったのでわりとなじみ深いものだが、最近までの僕のように、知識としては知っていても真面目に取り組む人は案外少ないのではないかと思う。その方法は簡単で、
- 目を閉じ、頭の中に浮かんだイメージを大きな声で、
- 他の人やボイスレコーダーを相手に説明する。
- 説明するときは五感をフルに使い、現在形で話す。
というもの。
最近は勝間和代さん・神田昌典さんが紹介しているので、フォトリーディングと合わせて、知名度がちょっとあがっているかもしれない。この分野のバイブル的な『アインシュタイン・ファクター』という本があるのだが、絶版になっていたものが最近復刻された。僕も早速買ってみた*1。
アインシュタイン・ファクター | |
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改めてざっと読んだけど、良い本だと思う。潜在意識やら能力開発やらに興味があればおすすめ。最終章ではミームが登場していますね(最近ミームという単語に過敏)。
で、イメストに何の意味があるのか、よくわからんかもしれない。このブログでイメストをメインに取り上げるのは初めてなので、ちょっと説明を加えようと思う。上記の『アインシュタイン・ファクター』の訳者あとがきから引用すると、
本を読んだり、人の話を聞く時、視覚や聴覚から入ってきた情報を、人は頭の中でもう一度、自然に唱えている。これを「追唱」というのだが、人の脳は、この「追唱」という作業を経て初めて、外部からの情報を言語として理解している。つまり、頭が良くなるポイントは、この「追唱」のスピードにあったのである。
(p.451)
この「追唱」を司るウェルニッケ中枢の処理スピードを、筋トレのごとく鍛えるトレーニングがイメストである、という理解で間違っていないはずだ。
このイメストを今までは気が向いたときに一人でやっていたのだが、先日、初めてこれを他人と一緒にやってきた。天才ワナビーの石渡さんが呼びかけて、1-2週間に一回集まってやっている"イメストBOX"に僕も参加させてもらったのだ。
cf. 天才ワナビーの中の人は想像以上に非常識ですばらしい - ミームの死骸を待ちながら
cf. 天才ワナビー 5月31日のイメストボックス
カラオケボックスに入るやいなや電源をOFFにして、電気も落とした暗い部屋の中、男5人が滔々としゃべり続けている光景はさぞ怪しかっただろうと思う。
複数人でやるイメストは初めてだったが、そのあまりの効果に驚いた。他人が聞いているから途中でなぁなぁにできないし、複数人同時イメストが異様に効く。
頭が痛くなる(他の4人も最初は頭痛のような症状に始まり、何度も繰り返すことで物理的に脳のどのへんが動いているのかわかるようになってきたらしい)し、特に五人同時はものすごくハードだ。
出てきたイメージは自宅周りの風景や、以前住んでいた二子玉川の家(しかもiNutの自宅のように整理整頓された理想の状態)とか、部屋がたくさん続いている廊下とか。そしていつもの通り、自然の風景がよく出てきた。森に帰りたいです(何
自分のターンじゃない時は他人のイメストを聞きながらそれをイメージに変換するのだけど、面白いと思ったのは、言語->イメージ変換がボトルネックであることを実感できた点。
二人同時にしゃべっている内容を、目を閉じて、左右に画面を分割して映像化していたのだけど、そのうち、「音声->言語化した内容は並列処理でき」ていて二つのストーリーをストックしているのだが、「映像の更新は片方ずつしか行われない」ということに気がついた。
言語->映像の変換のみ、回線が遅い感じ。これはおもしろい。
終わって外に出てみると視野が広くなってるし、立体的に見えるし、感覚は鋭敏だし新鮮な世界が広がっていた。数時間でこの感覚は消えるけど、繰り返すと基礎体力ならぬ基礎感覚が向上していく、と経験者は語る。
イメストも他のすべての技能と同様、「集中的にやるか、継続的にやるか」のどちらかでないと意味はほとんどないのだな、と痛感した。自分の身体の反応を客観的に見るのは好きだ。
しかし...脳を酷使した副作用というかなんというか、イメスト後食事に行けば異様に眠くて爆睡するわ、帰りの電車で降りる駅を二回もスルーするわ、翌日頭痛くて&眠くて寝まくっているわで散々だ。まあ、頭痛を"脳の成長痛"と思ってみたり。
眠いのはいつものことと言われればそうなのだが、夢見率が100%に近かったのが特徴的だった。僕は最近夢を覚えていることは少なかったが、この日爆睡した中で見た夢は、いくつものストーリーが脳内展開されていて、寝ても疲れた。
なんか変な回路開いてしまいましたかね。
でも、新鮮な体験ができておもしろかった。何より、この5人の間では、例えば頭は3週間で良くなる!―世界の権威が実証した、“驚異”のノウハウ! (知的生きかた文庫)の訓練内容と成果を語ったり、さらに非常識な感覚で普通ならばヘンな目で見られそうなことも堂々と語れたりして、とても楽しい*2。
天才ワナビーの石渡さんはかなり積極的に動いていて、コンサルタントの藤沢烈さんに会いに行って自身の関心事項をビジネスに結びつける模索をしてみたり、7月には加速学習の合宿なども計画しているそうで、流石の行動力。
僕自身も"脳"系統は昔からの感心ごとなので、今後とも首を突っ込んで行きたいし、おもしろい未来が見えそうならばその先を見るために協力もしたい。