ミームの死骸を待ちながら

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators. We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators. - Richard Dawkins "Selfish Gene"

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators.
We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators.
- Richard Dawkins "Selfish Gene"

天才ワナビーの中の人は想像以上に非常識ですばらしい


天才ワナビーのトマトこと石渡さんと渋谷でお食事などをして来た。


研究室を移ってからこの半年、いろいろと変態的な人(褒め言葉)に会って来たが、この方向に突き進んだ人は初めてだった。というか、中学校以来、僕が個人的に一番遭遇したかったタイプかもしれない。


ブログを読むだけで、異端の道を突き進んだ人であることがわかる。その読書ペースと更新頻度は尋常ではなく、またよく読むと描写・内省のレベルが高い。ここまでクオリティの高い"フロー状態"のレポートが定期的にあがっているということは、それだけで驚異だ。


本当の意味での"脳トレ"


石渡さんは神田さんの本(お金と英語の非常識な関係(上) 神田昌典&ウィリアム・リード、スペシャル対談CD付きだったかな)に出会ったことをきっかけにフォトリーディングを知り、独学で習得し、さらにはウィン・ウェンガー



この本を実践して身体感覚が鋭敏になったという。僕も速攻買ってしまった。


僕も以前頭脳の果ては読んだことがあるが*1、石渡さんがすごいのは結果を実感できるまできちんと実践している所。イメストも仲間と共に二週一回ペースくらいで続けているらしく、すばらしいなと思った。カラオケボックスで他人と協力してのイメスト...どうしても



を思い浮かべてしまう。未来は予知できないけど、秘密の共有感覚としては近いだろうな。参加資格として「ある程度自分で実践している」ことがあるそうなので、慣れたら僕も参加してみたい。


不随意の身体活動を感知する、ということ


石渡さんが脳の"筋トレ"を始めたころは、頭痛のように脳の重みを感じるところから始まり、最近では随分と感覚が鋭敏になり、完全ではないが身体の変化を感知できるようになったそうだ。おもしろいことに、脳内物質の出てる感覚がわかる*2、という。バキみたいだ。
フォトリーディングをしている時も、今は映像野が働いているからちゃんと成功している、とわかるらしい。

また、身体感覚が鋭敏になると、日常生活のパフォーマンスが上がるし、能力の最高値も上昇するはず。無意識層の活用は、一定以上のパフォーマンスを上げている人にとっては常識的な話である、というエピソードも読んだことがある。


これらの"感覚の鋭敏化"現象に理屈付けは可能だろうか?


―仮説として、以下のようなものを考えた。

「身体の各部から送られてはいるが、常人だと閾値以下のノイズとして脳が反応を放棄しているシグナル」というものが存在すると仮定する。
このシグナルに対して意識的に注意を向けることを繰り返せば、脳が反応を示すようになるのではないか。そのためにはわずかな変化を感じとり、フィードバックするというプロセスを繰り返す必要がある。
達人技(武道・芸術・思考パターン・判断力etc...)というのは煎じ詰めれば「脳がいままで反応していなかったシグナルに反応できるようになる」ことである、とも言え、脳稼働状況のモニタリングはこの一種。というのはどうだろ。


僕は、書物以外でこの境地に達した人の話を初めて聞いてテンションがあがった。人間の能力はホント未知数だな...座禅でトリップ状態になる僧なんかに、インタビューしてみたくなった。


非常識への寛容、その由来


で。「Hashさんはこんな話をしても普通に反応するんですね」、と感心され、ああそうかも、と振り返って思った。
基本的に僕は、特に心がけているわけではないが、非常識な話でも普通に聞くことが出来ているかもしれない。むしろ退屈な普通の話よりも食いつく。幼なじみの女の子は霊の見える人だったし(その真偽は兎も角)。

ちなみに今のところ、変な宗教には騙されていない。


このエントリを読む人も、「なんだこいつトンデモか?」と思っているかもしれない。笑わば笑え、しかし僕は理解する。あり得る現象であることを知っているからだ。この考え方の形成過程を分析してみると、次のようになると思っている。

  • 幼少期に、脳に炎症を起こして記憶喪失になり*3、脳に対する潜在的な興味が植え付けられた。
  • 中高時代には潜在能力開発にハマり、非常識への拒否感は消えていた。
  • 大学受験でそれを利用した自己流の勉強で成果を出せたとき、未だ理論化されていない法則の実在を確信した。
  • KGCの柴田さんの生き方に触発され、非常識は自分の中に溜めるのではなく、公開し共有することで価値が生まれることを知った。
  • そしてここに来て、常識的に非常識な会話が可能な友人を得た。


僕らは"常識"に留まらず思考のリスクを取っている分、"科学教"に染まった人よりも、きっと面白い世界が見える。


そして辿り着く「お前は俺か」


石渡さんと僕の間にはどうやら、One of themになることが耐えられない、大きな/体育会系のコミュニティでは実力が発揮できない、ネウロ好き(特に春川教授派)などの共通点があり、以前SLOGANの伊藤さんにインタビューしたことがあるなど、意外なつながりも発見した。


syou6162、rindai87、riywoさん、石渡さん。他人に俺を発見する、「お前は俺か」を積み重ねる至福。共通項の引力を以て、似て非なる個人を接続し、総体としての可能性を広げる。インターネットはやはり偉大だ、という結論になった。

また、近いうちに。

*1:今年5月に新装版か?[asin:4877712488:title]

*2:生理学的に正確な描写をするとどうなるのかはわからんけど

*3:再発の恐れがあったのかどうか知らないが、中学くらいまでは定期的に脳波に異常がないか検査して薬も飲んでいた