「74冊読みました」の面接官にブログがばれた→(中略)→ワインおいしいです\(^o^)/
先月の下旬の話。アキバで野良黒猫と晩酌しつつ飯を食っているとメールが届いた。
Hashさん
74冊の面接官です。
ブログ拝見しましたお元気そうで何より。
( ゚Д゚) <- Hash 。 。 / / ポーン ( Д )
(参照: コンサルの面接で「74冊読みました」と言ったら「それは何がすごいの?」と返された - ミームの死骸を待ちながら )
いや。
いやいやいやいや。...ずいぶんブクマがついてまずいなとは思っていたのだが、まさか見つかろうとは。どうしよコレ、業務なんたらアレ罪?
...と取り乱すも、会社とは関係なくお話でも...と誘われたので、のこのこと恵比寿のイタリアンな店でお食事してきた*1。
発見の経緯を聞くと、面接官 (仮に、多田さんと呼ぶ。理由は後述) の後輩がはてなーで*2、僕のエントリを見て「このコンサルってどこですかねー」と多田さんに話を振ったところ「それウチだよ」となり、社内で話題になったとかならなかったとか。
「まさかあんなに読まれてるブログだとは」
「なんかほんとすみません」
「いや、おもしろかったよw」
正直少しびくびくして行ったのだが、記事にしたこと自体がどうこうという話はさほど問題ではなく、安心した。一ヶ月前の面接のとき、なんだか多田さんからにじみ出る人柄が好きだったのだが、想定外の質問に取り乱しケース問題に沈黙したダメ面接を思い出すにつけ「もうちょっとまともなやりとりをしたかったなぁ」という想いもあったため即座に了承した。てか例の面接で既にお祈りされているから失うものなど何もn
ともかく、純粋に会話を楽しむことができた。一ヶ月前に小一時間話しただけなのに改札口で即座に僕を判別できるのはきっとコンサルタントのジョブアビリティ(ABP50)。
雑談的に出た話題で、多田さんが散在思考の中の人のことを知っていたり、僕が受けた某社の役員とサークル仲間だったりと、世界の狭さを痛感。
コンサルタントをして「こいつおもしろい」、と思わしめた記事
多田さんは僕のブログの存在を知ってから、ある記事を読み「おもしろい」と思い、メールしたという。僕自身意外だったが、それは、この記事だ。
僕が「らでぃっしゅぼーや」ではなく「Oisix」を選んだ理由 - ミームの死骸を待ちながら
ユーザーの視点からOisixとらでぃっしゅぼーやの顧客獲得戦略を比較し、データを軽く探して直感との整合性を見てみた記事、、、と書くとそれっぽいが、言ってしまえば直感に肉付けしただけで荒削りの、勢いエントリだ。これを気に入っていただいたらしい。
「というか、あの記事にコメントしたのに無視されて寂しいんですけど」
「Σ えっ」
この記事の一番下にある「tadai」という名(ゆえに多田さん)のコメントがそうらしい。
決算情報から各社の売上高、利益率情報を提供し、僕のエントリに足りなかったものをジャストな感じに補足してくれる、流石なコメントでした。レスしようとしてコメントの下書きしたのだけど、データに対して「感想」レベルを超えた意味づけができず、悶々としてるうちに忘却してしまっていた。すみません。
はてな界隈のコンサル談義に火をつけた例の質問、その真意
意味づけ、といえば。
「最近"俺ってスゲー"と思ったことは?」
そして、その後の「それは何がすごいの?」という質問。数週間前にはてなにコンサル/面接/就職論を巻き起こしたこれらの質問の意図は、結局なんだったのか。
「何かいろいろ言われてたよね。意味づけがどうとか。」
「ですね。なんか敗者復活戦に入ってるとか。...本人としては、あれ見てどうでした?」
「もう書き込みたくてうずうずしてたんだけどね」
続く多田さんの言葉で、僕はWebという不思議な縁により、「面接官に"解答"を教えてもらう」という稀有*3な機会を得ることになるのである。
「あれは、もう一つの"最近面白いと思ったことは?"という質問とあわせて、僕を説得して欲しかったんだよ」
「説得ですか」
「話し方というか。自分が"すごい"と思うことをどうやって説明するのかな、と」
「確かに、コンサルですからね」
「あと、一緒に働く人とは、価値観...というと安っぽいけど、何を面白いと思うかが一致してないとだめだと思うから」
とのことで、それっぽく言えば、純粋に「自分の価値観」とその「説明能力」、となろうか。...あああ、確か何かもっと勉強になること聞いたんだけど、脳が!うれしかったもんで、記憶を疎かにしていたらしい*4。
「あと、Aさん*5は、"Hash君は将来的に何がやりたいのかよくわからなかった"って言ってた」
「将来やりたいこと、ですか。うーん。...就活を離れて言いますけど」
「いいよw」
「よくわかりません」
「まぁ、今の段階で決まってるのもどうかと思うけどね。でも、Aさん熱血タイプだから、そういうのを考えてる人を評価するんだよね」
「なるほど」
「ほら、シューカツマッチョみたいなのいるじゃん」
「マッチョてwいますね確かに」
「彼ら、"日本を活性化したいです!"とかマジな顔して言うんだよ。怖いよ」
「同感です」
当たり前だけど面接官も人間で、今回みたいに個人的に話すと表面的ではないコミュニケーションができるし、個々人によって好みが分かれる。多田さんはシューカツマッチョが苦手で(そして僕も同じだ)、Aさんのようなタイプはマッチョを「意識の高い学生」として評価する。この辺を鑑みるに、かなりの割合で、就職には「運」や「縁」も関わってくるのだろう。
ここで、僕の将来について今思いついたことを追加すると、将来やりたいことがわからん、というか人生を賭してやりたいこととか今の時点で確定できないから、なるべく選べる選択肢の広い道を行きたいし、選択肢を広くする能力を身につけたいと思っている。
- びじょんとかいうもののプロトタイプはないでもないけど。
ベンチャーに新卒で入るということ
ブログのエントリを読んで誤解してる人もいたけど、件のコンサルは比較的小規模の、ベンチャーと言って良い規模。多田さんはそこに新卒第一期生として入社した。
多田さんは、ベンチャーに惹かれている現在の僕の志向にかなり近い意見を持っており、就職活動全般やら、新卒一期生として働くことについて、いろいろとアドバイスを頂いた。貴重すぎて東に足向けて寝れない。
そして考えたこと
現在の傾向だけ見て業界を決めるのは危険だ。数年後には世の中は変化してる。したがって、今人気のある企業に入ることは、必ずしも将来の幸福を意味しない。
どう考えても、僕が大部分の責任を負う小さな仕事よりも、うまく回っているシステムに乗っかるほうが完成度は高いし社会に対する付加価値も高いのは明らかだ。したがってアウトプットのクオリティ(と待遇)を重視するなら、外資コンサルだとか、外資金融(会社にもよる)とか、エンジニアならば任天堂とかGoogleだとかを目標と定めることになる。
これは性格にもよるが、少なくとも僕は自分で自分をコントロールできる状態でいたい。研究室で、9時から21時まで拘束される生活は耐えられなかった。研究室に居るかどうかではなく、拘束されているかどうかが問題だった。
仕事の上で自己をコントロールする。小さな会社/事業単位で働くことは、"自責"や"他責"を考えるまでもなく、直接に結果が自分の身に直接降りかかってくるということを意味する。
「新卒で入った先輩がいないと比較対象がいなくて不安になるけど、大事にされるし、経験できることも大きいよ。」
6, 7杯のワインで靄のかかった僕の脳が正常に動作していたならば、多田さんはそんなことを言っていた。
人の行く、裏に道あり花の山。疲れそうだし、泣き言を吐きそうだ。それでも自分で周囲の環境・アウトプットをコントロールできる方が、精神の安定が確保されるし、仕組みがない状態から仕事を行なう能力が鍛えられる。というかその能力を向上させないと価値を失う。
急に無職になっても仕事を作り出せる能力。経営、という言葉に近似できるかもしれないし、できないかもしれない。
ともかく僕はそれが欲しいと思っている。それさえあれば、急に興味が移り変わって別の仕事やりたくなっても、最低限のコストで移動できるはずであり、なるべく好きなように生きたい、というスタンスを実現する手段になりうるのではないかと考えている。
余談
「そういえば、多田さんもブログ書いてるんですよね。教えてくださいよ」
「えー、だめだよ。まだあまり書いてないし...記事が溜まったらトラックバック送るからさ」
「あ、そういえばメアドの独自ドメイn
「やめましょうよそういうの」
見つけてません。僕何も見つけてませんから。