脳を元気にする"アート"な人生を。:『アートセラピー入門』書評
著者の今井様から献本頂きました。ありがとうございます。
介護・福祉・医療に関わる人のためのアートセラピー入門―認知症にも効果が認められた芸術療法 (WE LOVE THERAPY 1)
- 作者: 今井真理
- 出版社/メーカー: ひかりのくに
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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といいつつも、正直どう書評したものか困ってしまった。幼少期に脳やられた経験(覚えてないけど)が志向の形成に大いに関わっているというのに、生物としての人間に対する興味は人間それ自体というよりもミクロな生物学と神経学的な方向へと進んでしまい、結果として"セラピー"には縁もゆかりもない人生を歩んできたからだ*1。高校のクラスメイトが理学療法士を目指していたなぁ、くらいの記憶が関の山*2だ。そういえば彼女は今何してるのか。
まぁ、評する知識と経験はないけども、せっかく"入門"なんだから勉強しつつ読もう。うん。
アートセラピーってなんなのさ
アートセラピーArt Therapyとは創作活動により心身を癒していく手法で、この本では今井さんが認知症ケアライセンス(DCM)所持者ということもあってか、認知症患者に対する治療として扱っている。ググってみると結構関連情報も多く、メジャーな手法と言って良さそうだ。
以下、本書の目次。
本書ではまずアートセラピーで症状が好転した実例がマンガで語られ、その後ざっくりしたアートセラピーの方法がある。 このへんはかなりすんなり理解できる。
僕がなるほどと思って読んだのは、p.28からのアートセラピー効果測定データ。サンプル数は46人と、わりと少なめ? 長谷川式スケールというものを使って認知機能を測定するのだが、グラフだけ見てもよくわからんなぁ。実際に患者と向き合って変化を実感できれば違うのだろうが、人間対象の研究はこのあたりの定量化が大変そうだ、と考えたが、すっごく基本的なことの気もする。
その後は具体的なセラピー手法や工夫が紹介されている。
制作活動とフィードバックが知能に与える影響
で。この本を読んでて、煎じ詰めれば「制作活動とフィードバックが知能に与える影響」という軸で語れるのではないかと思った。なんでわざわざ制作するのかと言えば、ざっくり言うと
- 成功体験
- 受容されていると自覚してもらうこと
この二つを満たすためなのではないか。またこれらは、認知症のみならず幼児の生育や一般人の精神の安定化にも関与してくる因子だと思った。
そういえばアートしない日常だ
アートセラピーの手法は、絵画・俳句・陶芸・音楽などいろいろあるみたいだ。マーブリングとかドリッピングは小学校か幼稚園の頃にやった気がする。
それぞれ、以下サイトより転載
で、そういえば最近...というかもう5年くらい"文化活動"的なものをやってない気がする*3。
僕はアタマが堅くはない...はず、と自分では思っているが、学部時代の友人*4であるところのid:leolioなんかと比べると、アート/デザインに対する興味が全然だな−、とは感じる。leolioのブログは、いつも「アンテナすげ−な−」と思いながら読んでます。
---------- From The Earth ----------
アートか...それをつくった人間の意図、精神状態、見る人に与える影響。伝わるミームと伝わらないミーム。考える対象としては悪くなさそうなんだがな−。
脳の活性化に、映像を。
健康人にとっても、知能を活性化させるには映像の活用は重要。フォトリーディングなんて映像情報処理そのものだし、マインドマップは大好物なので僕も使いまくってる。
先日エントリを書いた天才ワナビーの石渡さんなんか、脳の情報処理力が常人と一線を画しているだろうと思う。実際、話してても「頭が良いなぁ」と感じた。
悪意の定向進化などなくても、人間は進化できる。
数字と文字に埋め尽くされず、感性を使いながら人生を過ごし、ベストなコンディションを保って生きて、ある朝起きたら眠るように死んでた。みたいな老化が理想だな。
もし長生きするなら、だが。
書評以来についてちょこっと
有力ブロガーに献本というのは、すでにイノベーターを通り越してアーリアダプターの領域に入っています。ですが、各ブロガーにも得手、不得手があります。例えば俺と100冊の成功本に「これならわかるネットワーク」を献本しても、聖幸さんも困ってしまうかも知れません。本blogのような「雑食性blog」というのは実は数が少なく、そして数が少ないだけあって献本も集中しがちで、献本が書評になる確率もどうしても下がってしまいがちです。
404 Blog Not Found:ブロガーの支持を集めて10万部! 成功者から秘訣を学ぼう
毎月100冊も献本されるアルファなdankogai氏には献本しても断られる場合があるのだな。彼から見れば全然弱小である僕なら、ひとつひとつ心を込めて手作りでエントリ書きますよ!もちろん影響力はその分低いのだけど。
良い本は良いし、悪い本は悪い。それは、得意/不得意領域のどちらであろうがなんとなくわかってしまうものだ。僕のブログだと献本自体ほとんどされないので、今回みたいに僕の得意分野から外れた書評も、「視野を広げるきっかけ」として食いつく。ある意味僕も雑食性です。
てなわけで
引き続き新たな出会いを求めて、「ミームの死骸を待ちながら」では書評依頼を歓迎致します。例によって方向性と影響の保証は出来ませんが...
[あとで書く]かも
脱線して思いついた。成果保証の書評エントリとかどうだろう?コンサルティングや広告、リクルートエージエントなどのビジネスモデルだと、けっこう成果保証がある。それを書評でも適応して、100ブクマ以上で成功と判定とか、ブログ経由で記事掲載1ヶ月以内にXX冊売り上げたら報酬、とか。
- (関連)pressblog.jp
そういったWeb口コミマーケティングを仲介するモデルに受容はあるかな。