物理に関する思い出と、最高学府の活用
高校三年の時、理系の端くれとして物理にハマった時期があった。地道に計算していくとどんな問題でも解けるのが爽快だった。その後押しをしてくれたのが、このサイトだった。
EMAN氏の説明が非常にうまく、助けになった以上に、かなり知的興奮を感じたものだ*1。最近は本も出したらしい。高校の退屈な授業の先に、広い世界を感じることができた。
…ただ僕は数学計算が異様に遅かった。ひとつひとつ確かめてからでないと次に行けないのだ。確かにEMAN氏の説明は書籍、授業*2、他のWebサイトで見た中でも群を抜いて丁寧だった。しかし、じっくりと計算して好奇心を満たすには、受験生に与えられた時間は余りに少なかった。結局数ヶ月ハマった後、問題の解法だけを覚え、興味は受験英語に移っていった(昔から飽きっぽかった)。
なぜこんなことを書くかというと、
生体分子のコンピュータシミュレーションを扱うにあたり、シミュレーションプログラムの原理を勉強する必要が出てきたからだ。
大学3年までの授業で熱力学・量子力学の"かじり"程度は勉強していたが、もはや忘却の彼方だった。実を言うと、3年の物理は切った。
これは数学全般に言えることなのだが、
僕が物理で最も苦手な部分は、教科書と教授はまるで先が見えているかのように(実際そうなのだが)、僕には思いも寄らない方法で計算し、置換し、代入していく所だ。
置いて行かれた気になる。自分の無能さと教科書の身勝手さにイライラしてくる。その一つ一つに「なんでそんなことをするんだ?」と考えていたら、疲れてしまったのだ。
再び物理を勉強するにあたって、基礎的な部分の理解には、先の「EMANの物理学」に加えて
が非常に役立っている。計算が遅く、ささいなことで躓くのは変わらないが、4年前よりはイイトコロまでいけそうな気がする。
細かな定義については英語版のWikipediaで確認すれば良い。よくできた世の中になったものだ。
これが梅田氏・茂木氏がフューチャリスト宣言 (ちくま新書)で言及した「世界の最高学府」か。それはどこかにあるものではなく、分散する情報を元に、自分で統合する教育機関であるようだ。