最近論文を読んでいて気になる人がいる。
その名は、Barry H. Honig氏。
コロンビア大学のDepartment of Biochemistry and Molecular Biophysicsに所属。サイエンスやネイチャーにバシバシ論文出してて、しかも生体分子計算系の論文には必ず引用される大御所的存在らしい。20年前のDelphiプログラム(Poisson-Boltzmann方程式を解くプログラム。原著論文を読みたいのだが、古すぎ&マニアックなジャーナル過ぎて、普段通うキャンパスにはおいてない…。)を開発したらしく、卒論テーマ関連でよく名前を見る。
ググってみた。本拠地発見。
おもしろい論文を貼ろうかと思ったがかなり多くて選ぶのがめんどくさい。よって、日本語で言及されているページを拾ってみた。
蛋白質の構造・物性における静電相互作用の寄与の解析で多くの研究を発表しているB. Honig は,蛋白質の構造から機能を予測するために,蛋白分子表面の特徴を明らかにすることと複合体の構造情報なしで相互作用表面の同定を助ける一般則の発見をめざしている。そのために,結合エネルギーの評価法と各アミノ酸の寄与を同定する新法を考案し,これを bioinformatics のツールと結合して,新しい配列-構造-機能相関の予測システムを開発している。このような,蛋白質物理学と bioinformaticsの結合も,今後一層増えていくものと予想される。
http://prc.bmr.kyushu-u.ac.jp/prc/prc2001/2001-58.html
2) 米国生物物理学会シンポジウム (1997年 3月 2-6日、米国ニューオリンズ 3,600名, 2,500件)
生物物理学のあらゆる分野を、9つの分野、約100のカテゴリーに分類して講演・ポスター発表が行われた。ここでも今回「ゲノム配列情報の立体構造ベースの解析」という特別シンポジウムが開かれたことは特筆すべきであろう。
タンパク質静電ポテンシャル計算(DELPHI)で有名なB.Honig教授の司会で、アルゴンヌ国立研究所で開発されている総合的ゲノムデータベース解析システムMAGPIEの紹介に続いて、S.Bryant(NCBI/NIH)から構造認識法の最近の進歩と配列データ解析とのリンクについて、更にA.Sali (Lockefeller Univ.)から自動ホモロジーモデリングシステムMODELERをゲノム情報に適用することについて話があった。
Saliは昨年全塩基配列が解読された酵母ゲノムにこの手法を適用している。30%以上ホモロジーがあれば自動モデリングが出来、NMR構造以上の精度が得られること、ゲノム配列の約20%が対象となることを強調した。
タンパク質の理論計算屋であるHonig自身も、自分のグループの約半分は、今後ゲノム情報解析に当てると言っていた。
尚、この学会ではNIH,NSF,DOEなどが構造生物学推進の施策を取っていることも紹介された。
http://cicsj.chemistry.or.jp/16_1/yao2.html
ザ・怠慢。
それにしても、こんな風に新しい領域を切り開いて、その後何十年も名が残る研究者にはあこがれる。