金融工学で金儲けはできない。この学問は無駄な損失を回避し、リスクを管理する術を提供するものだからだ。
効率市場、リスクの定量化などを説明し、先物やオプションといったデリバティブに触れている。概念を説明するだけではなく、簡単な数値例と共に説明されるので比較的理解し易い。ブラック=ショールズの式周りの事情は興味深く読めた。
ただ残念なことに、「読み物」と「教科書」をうまくないバランスで配合したような本になってしまっている。さらっと流し読みするには深く突っ込みすぎていて、本当に金融工学を学びたい人にとっては物足りない。投資に応用するにも、ちょっと不足。