整理法というか人生論
どうやら「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)を意識したらしい茂木さんの2005年度の著書。みたいに知的生産法を解説してるのかと思ったら全然違った。
脳の整理についても一応触れているが、体験を整理して知に変えるのが脳で、そのツールが自然言語だとか、曖昧な部分多し。
メインテーマはcontingency(偶有性)。科学はこの世を神の視点で俯瞰し、確実さとランダム性を対象に「統計としての真理」を作り上げた。
一方世の中の実際は、偶然でも必然でもないcontingencyから成り立っている。ノーベル賞受賞者は脳をオープンにしてセレンディピティ(偶然の幸運に出会う能力)を持つ人。人生は不確実なのだから、不確実にチャレンジして成功する体験をなるべく多く持ち、そのプロセスのシナプスを太くしていこう。ということ。
結局、人生論に近い。新書だからか軽いし、茂木さんの他の本の焼き直し(あるいは彼の人生テーマへの別観点からのアプローチ)感が否めない。おもしろいけど評価3。