脳を拡張する
研究室的に歴史あるテーマを新しい道具で扱っていると、世代の流れというものを感じてなんとなく敬虔な気持ちになることがある。仕事を引き継ぎ、先輩が苦労して確立した系を再評価し、発展させる。巨人の肩の上に立つ。これが脈々と受け継がれていくのを何十年も間近で見れるわけだから、そりゃ教授職がおもしろくないはずがない。
自分のラボ、研究室を持つということはすなわち、自己の脳を拡張することに等しい。興味のあるテーマを、自分に代わって、あるいは自分と一緒に考えてくれる仲間を得る。それを統括するメタ的視点を得られるのが「研究室のボス」という立場だ。そしてそれこそが一番のうまみだ。
なんとなく思った。