卒研発表を経験して気づいた、研究姿勢・プレゼン・質疑応答のコツまとめ
おそらく全国的に見てもかなり遅い方だろうが、先週卒業研究の発表が終わりました。原稿を練りながら、発表練習をやりながら、他人の発表を聞きながら発見した法則などをまとめた。
どう見ても
4年生の卒研発表を見学してきて感じたこと - yuyarinの日記
を意識しています。本当にありがとうごz (ry
なお、僕がこれらすべてを押さえた完璧なプレゼンをやる訳ではない。むしろ僕は人前で話すのが大の苦手で、ほとんどすべて「できたらいいなぁ」という妄想である。
プレゼンは慣れと経験が一番だと言うし、こんな風に頭で考えるよりも1000人スピーカ プロジェクトとかに出る方が上達する気もする…。まぁ、頭でっかちには頭でっかちなりのやりかたがある、ということで許してください。
研究姿勢について
- 研究として完璧である必要はない。
- 卒研発表は、研究発表である以前に卒業試験である。
- 質問する人もそのあたりはわかってるので、痛いトコを付かれて言い訳も効かないケースは「それは仰るとおりでして、今後行う予定です/課題であると思っています」
- 重要なのは、そこが弱点だとあらかじめ把握し、弱点を把握していることを知らせる返しをすること。
- 研究の目的をしつこく繰り返す
- 来年うちの研究室に所属することになる三年生が、僕の発表は分かりやすかった、と言ってくれた。ありがたいです。その理由の一つに、イントロ、実験手法、研究結果の解釈、結論で研究の目的を何度も説明したことがあるんじゃないかと思う*1。
- 先輩や同期が似たようなことをやっていたら、どこが違うかを明確にする
発表原稿を練る。練習を重ねる。
- 練習量はプレゼンのうまさにダイレクトに効いてくる
- 言いにくい言葉は避ける
- 僕は滑舌の悪さに定評があるので、言いにくい言葉は他の表現に言い換えました。
- 「算出」→「計算」など
- 僕は滑舌の悪さに定評があるので、言いにくい言葉は他の表現に言い換えました。
- キーワード≠ペグワード
- キーワード
- ストーリーを話す時の核となる単語。重要なので特に気をつけなくても覚えられる。
- ペグワード*4
- 「このひとことが出れば、後はすらすら喋れる」という言葉。
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- ペグワードは発表の記憶を補助する単語で、意識的に覚える必要がある。スライド切り替え時のつなぎ言葉や、なぜかいつも飛ばしてしまう内容の最初の単語など。ペグワードだけ列挙したカンペを作って練習すると、丸暗記よりも記憶定着がよかった。
- 相手は何を見ているのか
- 相手は発表の聞き逃した部分を要旨集やスライドを見て補う。自分は何を書いたか把握しておく
言い換えた方がいい言葉
緊張のあまり、某女子が質問に対し「これで出来ました、オッケーって感じですけど」と返していた。そこまでファンタジスタにならずとも、それはどうよ?と感じた言い回しがいくつかあったのでリストアップ。僕も緊張すると変な日本語が出てしまうので気をつけたい。
- だいたい
- →「およそ、約」
- 一応
- →言わない
- とりあえず
- →言わない。
- XXとか
- →「など」
- 略語は避ける
- 説明しても聞いてる人は覚えてない。略語を使うときは一言説明を付け加える
質疑応答について。
- 質疑応答をうまくやりすごす三種の神器
- 切り返す
- それは違うな、と思った質問に対しては切り返し、デキる人になる。やんわりと否定し、理由を簡潔に述べる。
- 繰り返す
- 質問に答える前に、「XXは○○ではないか、という質問に関してですが…」と最初に相手の質問を繰り返す。誤解を避けられるし、自分の頭も整理できる
- 聞き返す
- 質問の意図がわからなかったり純粋に聞こえなかった場合は「もう一度お願いします」と言って、その間に答えを考える
- 切り返す
- パワポで「ページ数+Enter」は知ってるとデキる感じがする
- IDEA*IDEAの超人気記事でも上がっているこのTipsは、かなり便利。知らないとぽちぽちページを戻す羽目になり、かっこわるい。質問を受けやすいスライドとまとめページの番号は暗記しておこう。
- わかってくれてる人の質問は嬉しい
- ちゃんとポイントを理解して深い質問をされた方が、例えうまく答えられなくても発表者冥利に尽きるというもの。(by うちのボス)
- 質問をまともに食らってあげる必要はない
- 一瞬のやりとりで相手の意図を理解し、正しい答えを導き出して答えられる天才は一握り。
- いくつか予想される質問に対する答えを用意し、その回答を発表練習と同じようにすらすら答える練習をしておく。
- 質問を受けたら、とんちんかんにならない程度に、対話の成り立つ練習済み回答を選び出してフォーマット通りに答える。
- 相手もこちらの発表を相手の立場で解釈して、彼らのフィールドから勝手な質問をしていることが多いため、お互い様。深い対話は懇親会や酒の席で行えばいい。
- 怖いのは、自分が半歩踏み入れた先の領域のボス
- こっちは完璧に備えることができない。相手は中途半端な理解を鋭く見抜いてくる*5
- Yesと言わせる返し
- 質問されて「うっ…」と思ったら、まず文句なく相手が頷く、基本的な質問から切り崩す。その間に頭を整理してうまい答えを考えたり出来るし。
「基本的には、○○はXXですよね?」
「(頷く)」
「また、△△ならばYYだと考えられますね」
「(頷く)」
そして自分のケースを話す。
「しかし今回の場合はXXXですので、…」
-
- 何回もYesと言った相手は、最後もつい認めてしまうという心理学の罠
- 最後に論点をずらして逃げる高等テクニックをやってる発表者もいた。
- 回答は質問から一拍おく
- 質問直後に説明を始めると緊張が丸見えでカコワルイ。話の後半を遮ってしまうと失礼。
まとめ
卒研発表に特化した内容だと思うので、TPOを考えて使わないといけない気がする。二年後の修論発表はこれらすべてを押さえた発表をぶちかましたいところですね!