ミームの死骸を待ちながら

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators. We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators. - Richard Dawkins "Selfish Gene"

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators.
We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators.
- Richard Dawkins "Selfish Gene"

おすすめのVOCALOIDオリジナル曲「歌ってみた」11選を晒してみる


突然ですがボカロいいですよね。脈絡?なにそれ食えるの。ともかく僕は妹に教えられてボカロにハマりまして。今日はその話。

ニコニコで発表されるオリジナル曲には、発掘する楽しさ、やいやいコメントで盛り上がる楽しさがあるのだけど、単純に曲として/映像作品として見ても、プロに負けないクオリティを誇るものが少なからずあると思う。ブログにpixivにYoutubeそしてニコ動と、まったくもって表現に格差のなくなった未来だな現代は。
それと並行してもう一つずっと思っていることなんだけど、ニコニコを見る層とはてなに常駐している層は案外重複していないのではないかというのが僕の感覚。で、そうなると有名な曲であっても「こんなのあるよ」とはてなで紹介することにはそれなりの意味があるのではなかろうか。というわけで、僕が気に入っているボカロ曲をバリエーションも含めて紹介しつつ、勝手気侭な脱線と余談を楽しむとする。脱線と悪ふざけがすぎてついに[ネタ]タグを付けるに至った。真面目なだけじゃ人生やってけないのよ。
元々VOCALOIDオリジナル曲の紹介のつもりで記事を書いていたのだが、気付けばほとんど「歌ってみた」シリーズとなっていたのでタイトルにも組み込んだ。ついでに紹介曲とかも含めるともはや11曲じゃないけど、大海原のように広い心で許してくれると信じています。

あと、読んだ人が「俺はこんな曲が好きだ!」とトラバ飛ばしてくれるのも歓迎しやす。


ダークな雰囲気は好物です

No.1: 結ンデ開イテ羅刹ト骸


こいつが好きすぎる。童謡のような曲調によく合う歌詞の不気味さと深み、加えて映像が天才的としか。後半になるにつれだんだん狂ってくる様子に鳥肌が立つ。歌詞は作者さんのブログとかニコニコ大百科にupされている。コメントOFFにして暗い部屋で見るといい...かもしれない。ちょっとした恐怖映像だ。
僕は、田舎の村で脈々と伝えられて来た怪しい伝統とか、かつて日本に存在していた(現代の)モラルから逸脱した風習とか、純粋故の狂気とか...そういった和風の不気味な物語がわりと好みなので、この「結ンデ開イテ羅刹ト骸」はどこか琴線に触れるものがあったのかもしれない。あと語り部役の和服の男が西東天っぽくね。

No.2: 鳥葬


映像とのシンクロ率が半端ないので、これも最初はコメ無しで見るのをおすすめする。メタルっぽいと言うのか?イントロから飛ばしててカッコ良すぎる。「亡骸の還るべき 大地もない」の行が頭に残る。ちなみにこれは「歌ってみた」でなく初音ミクそのまんま。

鳥葬の作者である鬱Pは他にも暗カッコイイ曲を作ってるので好きなやつを紹介。


方向性は違えど、抽象的な言葉とダークな雰囲気、謎の中毒性が「結ンデ開イテ羅刹ト骸」と似ていなくもない。どこか乙一のような。GOTHは高校生の頃読んで衝撃を受けたな。

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失踪HOLIDAY とか CALLING YOU みたいなほんわか系も好き*1なんだけど、やはり乙一節が炸裂するのはダークな世界観の物語。ZOO作品だと「神の声」とか「SEVENROOMS」とか*2乙一好きなんですよ。どのくらい好きかと言うとブログのタイトルを変更するときに「夏と花火とミームの死骸」が候補に上がったくらい。どっちにしろミーム死ぬのな。


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starどれも奇妙な恐さがあっておもしろかった
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No.3: ブラック★ロックシューター


正当派TVアニメ主題歌系というか。かっこいい曲です。テンション上げたいときに聴いてる。あと、どうもブラック★ロックシューターがアニメ化されるらしいですね。ずいぶん派生してるらしいのは知ってたけど、マグカップやTシャツまであるとかなんなの。すご。


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世界観シリーズ

No.4: ココロ+ココロ・キセキ(1曲カウント)


精巧に作られたロボットと科学者の話で、世界観としては乙一ZOO収録の「ひだまりの詩」などに近い(いや、他にこのテーマでもっと有名な話がある気がするけど、乙一の記憶が粘っていたもので)。



先の「ココロ」に対するアンサーソングという位置づけで、別の視点から歌われた曲。「ココロ」と別の人が作ったとは信じられないほどのシンクロ。「ココロ」と「ココロ・キセキ」のメロディ自体は同じで、しかもハモるように計算されているため、「2窓」と呼ばれる方法*3を使って同時再生することで鳥肌を召喚出来ます。ヴァルファーレかね。

同時再生を調整するのが煩わしかったりするので、2曲をひとつにまとめたVersionもうpされている。これはすごい。ただ、音の重量感という意味ではリツカさんの歌った上記の二つの動画を同時再生した方が迫力があるかも知れない。

No.5: 下克上(完)


VOCALOIDには自然発生的にできた設定というか独特の世界観があって、その世界観を知っていればニヤリとさせられる歌詞。曲自体も、韻を踏んでて軽快なラップみたいに聴ける。そして、こいつもPVの完成度が半端無くかわいい。ニコニコには野生の神が多すぎる。八百万の神々とは良く言ったものだ!

下克上シリーズはいくつか派生Verがある。楽しい。

男声二曲

No.6: ダブルラリアット


元々大して意味の無い(失礼、抽象的なというべきか)歌詞なのだが、チャーハン作るよ!のAAを元にしたストーリーPVが付加されてて、なぜか目から汗が...!

    ∧,,∧
 (;`・ω・)  。・゚・⌒) チャーハン作るよ!!
 /   o━ヽニニフ))
 しー-J

No.7: 裏表ラバーズ


これは比較的最近の曲。リズム感というか疾走感がたまらん!歌詞職人がいい仕事してます(でも最近消えてる)。



以上二曲は男性の歌い手だけど、特に好きなのは「うさ」「ヤマイ」「バルシェ」「リツカ」さんあたりの女性歌い手が主で、なぜかあまり男性で名前を覚えるほどハマる人はいない。スガシカオとか山崎まさよし系の歌い手さんいないのかな。


歌唱力シリーズはじまるよー


曲自体や絵がプロの犯行としか思えなくてもう口半開き状態なのに、さらに異様にうまい歌い手さんが歌ってたりするともはや異次元ですね。奇跡のコラボ。
このあたりは下手に説明するより聞いてくれればわかるのではないかと。

No.8: メルト


有名な曲ですが、「メルトを歌ってみた」の中ではこれが一番すき。

No.9: ワールドイズマイン


これも「うさ」さんですね。

No.10: 体の調子おかしいの


こいつ乙女な曲好きだなとかそろそろ感づいても言わない。「うさ」さんが歌った中で他に好きな曲としては、ロミオとシンデレラMikunologie恋は戦争 あたりでしょうか。もう11曲とか軽く超えてるね。


No.11: 忘却心中


ヤマイさんは野生の宇多田ヒカルではないかと。歌い方がかっこええ。MEIKOを歌わせたら右に出る者は居ないのではないか仮説を立証するためいくつか実例を挙げる。

いくら実例を挙げても証明にはならない、とするのはなんだっけ。批判的合理主義?関係ないな。


MEIKOと言えば...いや今日は故意に盛大に脱線しようと言うコンセプトなんだけど、ともかくMEIKOつながりの話で、VocaloidではMEIKOが一番好きであることを妹に言ったんですね。ちょっと前。以前からちょくちょく「アニメキャラの誰それが好きだ」と伝えて来たら、最近僕の"嫁"をまとめて絵を描いてくれました。嬉しかったので晒し上げてみる。

http://img.skitch.com/20090916-gyg7xhktpki43jrkb98e65npcn.jpg


左から大河、MEIKO真希波・マリ・イラストリアス鶴屋さんですね。妹は誕生日にイラストを描いてくれたり、さぬきうどんx僕のSSを拵えたり、兄総受け本を企画したりと、とっても腐った兄想いの妹ですよ。助けて。


はて。


こうしたニコ作品を見て行くとどうしても目につくのが、評論家気取りで作品にあれこれ上から言い放つコメントだ。映画館で突然立ち上がって講釈を垂れるかのような、無粋で、失礼で、不快な印象を覚える。別に手放しで絶賛しろなどと言わないが、自分は消費するだけの立場なのによく言えるものだとある意味驚きすらする。
少しでも「何か作る」ことの難しさを知っていれば、好き嫌いを表明することこそあれ、とてもじゃないが"評論"する気にはなれない。


音楽センスも絵心も持たない僕ではあるが、ミームの死骸は可燃物故、時折ホットになり多くの人の目に触れる。そうした時エントリという名の撒かれたミームは自分に所属することを辞め、コンテンツとして評価され始める。そして場合によっては書き手の人格までコンテンツとして評価の対象となり、「この種の人間はxxxだから駄目だ」「こいつは前にもこんなこと書いてたし、要するにyyyな人間なんだよ」といった言い方をされる。これが、ネットをやってて一番こたえることかな。

しかしよくよく考えてみると、コンテンツは斯く在るべき、と思うのも事実だ。すなわち誰が書いたとか誰が歌ったとか、そうした属人的な情報をすべて排除した上で、純粋なクオリティで価値を判断した方が作品に対して誠実であるのだろう。
そうして割り切りさえすれば、創り出したものが「誰それの作品」ではなく「ただのコンテンツ」として見られることは、一つの"ボーダーライン"である、と言うこともできる。個人的に付き合いのある人しか評価しない(そもそもそれ意外の層の目に触れない)表現は、未だボーダーラインを超えていないのである。
そして創り出す自分自身もネットに晒すつもりであるならば、自分自身がコンテンツとして扱われる覚悟を持つべきだ。ただ"人間のコンテンツ扱い"は、すんなり受け入れられるケースばかりとは限らない。


つい数ヶ月前、僕にネガコメを付けるためだけに取得されたと思しきはてなIDを発見してショックと同時にある種の感銘を覚えたものだが、まぁ、アンチが出現するのも存在が大きくなった証拠であるに違いないのだ。





...はて、何の話をしていたかな?

まぁ、そんな与太話は終わりにしましょう。


さあ、お手を拝借。



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*1:中学何年生かの読書感想文は失踪HOLIDAYでした

*2:文庫化に当たってZOOは二冊に分割されたっぽいですね。僕は単行本時代に読みました

*3:まぁ単にそれぞれの曲を別のタブで開いて、ぴったり同じタイミングで流すという力技