僕が「らでぃっしゅぼーや」ではなく「Oisix」を選んだ理由
ネットで完結できたから。
この二者はほぼ似たようなサービスを提供する競合なのだが、僕というユーザー(顧客?)にアクセスしたのは「らでぃっしゅぼーや」が先であるにもかかわらず、後から利用しようと思い立った「Oisix」の方にあっさり転がった。
自分の自然な心理の動きを思い返してみたとき、これは人に物を売るときのパターンなのかな、と思ったので拡大解釈して戯言を書く。P&Gのセミナーで似たようなこと聞かされた気がするような、しないような。
経緯
僕は、よほど余裕のない時期でない限り、自炊をしている*1。そのほうが安上がりだし、まぁ、料理自体が好きだからだ。冷蔵庫の内容から組み合わせを検討し、調味料を駆使しておいしいものを創り出す。出来上がった飯をフライパンのまま部屋に運び、日本酒をちびっと飲みながら食らう至福。ただし主として自分で作って自分で食べる自己満足のためであり、他人に手料理を振舞う、というのは苦手だ。ここはid:iNutと違うところである。
で、その材料は近所のスーパーで週に一度くらい買い溜める、というのが常だった。のだが、必要な量の食材をバランスよく宅配してくれるサービスを利用してみようと思いたった。以下の二つがそれだ。
- らでぃっしゅぼーや
- 有機・低農薬野菜の会員制宅配サービスを謳う。JASDAQ上場。
- 有機野菜、無添加食品等の会員制宅配サービス|らでぃっしゅぼーや
結局OISIXの方を使っているのだが、実は最初は「らでぃっしゅぼーや」を利用しようと思っていた。日経新聞に挟まっていたらでぃっしゅぼーやの広告に興味を引かれ、添付のはがきで「お試しセット」を請求したのが最初の接触だ。
らでぃっしゅぼーやでめんどくさかったこと
数日後、「らでぃっしゅぼーや」から電話が来た。一度サービスの説明に行かせてくれ、と。そのときサンプル食材と資料を持っていきます、とのこと。
僕の地区は木曜日の配送なので木曜どうですか、と。僕はちょうどその頃忙しかったしそもそも木曜は研究室のゼミなので、休日にしてもらえませんか、と頼んだ。ところが休日は休みだという。めんどくさいのでじゃあ資料だけ送ってくださいとお願いした。サンプル食材はダメだった。会員になればドアの前に置いておいてくれるのに、最初は訪問付きじゃないとサンプルくれないらしい。
資料が来た。
資料が来たが、もう僕はそのとき「らでぃっしゅぼーや」に興味を失っていた。その後、訪問時間調整の電話がきたが、断った。既にOISIXに登録して次回の配送を予約してしまったからだ。恐るべき浮気性である。
OISIXの何がよかったのか
「なんだよ平日のみ訪問って」とネットでうにうにしていたところOisixの存在を思い出し、その場で登録した。この容易さが僕の決定付けた最大のものだった。サイトを見てちょこちょこいじってもらえばわかるが、
「とりあえず登録」するハードルが非常に低い。僕は登録し、そのままネットで基本セットを頼んで、そして、それだけだった。
二週間後の日曜日には食材が届いた。
キャベツや白菜が、ぎっしり詰まっていてうまい。さつまいもを焼いたら中が蜜みたいになっててめちゃくちゃ甘かった。さすが野菜の質は良い!
基本セットの中に、これ通販で買うほどでもないな、という微妙な食材*2もあるが、配送からはずすことはできる。ただ、毎週セットの中身を調節するのがめんどうだ。これはなんとかならんかな。
数値として差は出てるのだろうか。
- OISIXの利用者は30万人。
- オイシックス、食品/菓子販売サイトの購入者数が30万人を突破 - ニュース - nikkei BPnet。
- お菓子の通販Okasixも含めて
- らでぃっしゅぼーやの会員数は10万人
利用者と会員数、という違いはあるものの、3倍か。いや、むしろ気軽に「利用」することへのハードルの低さがこの差を生んでいるのではないか。最終的に利益の差としてどう現れているか、までは調べてないけど。
マーケティングは既存のパイの奪い合い的なところがなんとなく好きになれない(僕自身は携わる気が起こらない、という就活生的な視点で)のだけど、いろいろ分析しても実際のところユーザーは何かを購入するとき調べに調べて決定を下すわけじゃなくて、テキトーな心理で決定するケースが多い気がする。少なくとも僕自身を省みると。
いかに心理的障害を取り除いて、エネルギー障壁を下ってゆくようにユーザーを誘導するか。そこらへんの戦略が必要なんだろうなぁ、と、Oisixから届けられたリンゴをかじりながら、考えた。
p.s.
以上の記述は僕個人の経験から書いたもので*3、実はもっと簡単な申し込み方法があったりするかもしれない。でも事実として僕がゆらいだ心理というものを記録しておくと何か良いことありそうな気がしたので書いてみた。