はたしてバイオはオープンか?(Re:研究とかをオープンにすること)
研究とかをオープンにすること - Seeking for my unique color.
どのように「バイオはオープンな感じ」なのかをITな人へ向けて具体的に紹介 - Hacking is believing@itoshi.tv
僕の感覚では、むしろIT系のほうが、LinuxやらAPIやらでオープンな感じがする。隣の芝状態なのかな。ちょっとアンテナが反応したので勝手にレスしてみる。研究者見習いの低い視点自重。
以前、オープンアクセスジャーナル"PLoS"についてちょこっと思うところを書いた。
オープンアクセスジャーナル"PLoS"がひそかに凄い。 - ミームの死骸を待ちながら
このエントリではオープンで素晴らしい、的な語感でまとめた。しかし天の邪鬼なので、id:syou6162氏、dritoshi氏のエントリを見て本当にバイオはオープンか?と考え直した。
dritoshi氏のエントリでは、オープンソース・オープンデータ・オープンアクセスの3つが例としてあげられている。この人はオープンバイオ研究会の中の人らしい。「執筆した本」の中に読んだことある本もちらほら*1。大物すぐる
それはともかく。三つのオープンがある、確かにそこは認める。が、僕はITの方がオープンだ、と判断する。それは、「栄誉がどこに与えられるか」というポイントを見てのこと。
科学研究における新発見の名誉は一番乗りの一人にしか与えられず、どんなに僅差でも二番手以降は何ももらえない。それ故に研究の競争が激しく、世知辛い駆け引きがある。論文には本当に重要なことや実験職人芸的なコツを書かないのが普通だし、どんな人海戦術な研究を行っても社会に功労者として認められるのは論文のラストオーサー、つまり研究のボス。革新的バイオ研究成果の影には、何人ものポスドクやドクターの死骸が転がっている。製薬企業もそうだし。いや、製薬はもっとひどいか。
有名な例では、ワトソン・クリックのDNA構造発見には第三の人物が地道な研究をして初めて可能だったのに、彼女は世間から注目されないまま放射能を浴びすぎて(実験しすぎて)早くにこの世を去った、とか。
一方IT系は外から見ると、オープンソースという概念がもてはやされて…ハッカー精神、というやつだろうか?「名誉よりも周囲からの評価に価値を置く」という考え方が、バイオをはじめとして象牙の塔には備わっていない新鮮な風であると思っている。
追記: id:syou6162氏はITというか統計だそうな。的違いすみません
「研究とかをオープンにすること」に対する反応 - Seeking for my unique color.
そもそもなんで反応したかというと
研究オープンにしていいのか?という問題定義に思うところがあったから。僕は基本的に
研究とかをオープンにすること - Seeking for my unique color.
自分としては脳内をブログなり、なんなりに書いてどっかの誰かの目に触れさせることで面白いコラボみたいなのができる感覚が好きなんだけどな、とか思った
という考えに大賛成で、研究室での実験を全部オープンにしたらいいのにと思っている*2。でもそれって法的にどうなん?今後問題にならんの?という点でどきっとしたわけです
あー
結局、第一発見者を目指してアカデミックに研究して給料をもらいながらオープンな開発・プロジェクトに参加する若い教授・准教授が最強、でFA?