タバコが遺伝子にダメージ。しかも禁煙しても治らない(という論文)
能動喫煙が遺伝子にダメージを与え、禁煙しても治ることはない。そんな調査結果が(オープンアクセスだから誰でも読めると思う)BMC Genomicsに載っていた。
BMC Genomics | Full text | Effect of active smoking on the human bronchial epithelium transcriptome
we comprehensively examined the effect of active smoking by comparing the transcriptomes of clinical specimens obtained from current, former and never smokers, and identified genes showing both reversible and irreversible expression changes upon smoking cessation.
昔タバコを吸ってて今は吸ってない人、現在進行形の喫煙者、全く吸ったことがない人。彼らのTranscriptomeを比べた結果、喫煙したことがある人は不可逆的にDNAの発現が非喫煙者と変わってしまっていた。
この結果は、「喫煙を経験した人は、禁煙の有無にかかわらず肺ガン発症率が高い」という事実に合致する。
トランスクリプトーム
トランスクリプトームとは、一つの細胞中の全てのmRNAの集まり。mRNAとは、DNAの一部が転写(transcript)されて生成される物質で、親となるDNAの情報をそのまま含んでいる。このmRNAは後に翻訳(translation)されてタンパク質になり、生体の様々な機能を担うことになる。
- なんでDNA自体を解析をしないの?
- DNAの並び方は一通りでも、その転写(transcription)のされかたによって働きが違うから。ゲノム解析はもう古い。ぶっちゃけDNA配列読んだって、他と比較しなければ何がどう働いているかよくわからない。現在はGenomeの次のTranscriptome, Proteomeが"オーム解析"の主流となっている。