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ミームの死骸を待ちながら

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators. We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators. - Richard Dawkins "Selfish Gene"

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We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators.
- Richard Dawkins "Selfish Gene"

ベンチャー新卒入社2ヶ月で僕が学んだ"仕事の進め方"

戯言


生物工学の大学院を修了し、金融系Web屋として働き始めて2ヶ月が経過した。

社長曰く「こいつは社会に適合できるのか心配だった」とのことであるが、まぁマイペースに日々の仕事を楽しんでいる。だっておもろいぜ。新しく知ることばっかやしな。


以前の記事でも書いたように、僕は「人間は誰であろうとも自前の意識/認識/記憶の枠から出ることは不可能」という(僕にとっての)真実*1を、言葉を変えながら繰り返している。

というわけで今日は、新入社員2ヶ月の時点でなんとなく見えてきた僕なりの仕事の"法則性"というか"核心"...の、鍵となるのではないかと思うものを書いてみる。

なるべく広く見渡そうとしても、限界がある。なにしろまだ2ヶ月で、そして僕はなかなかの阿呆である。そこで、ブログに書き留めていろんな人に見てもらう、というのが僕の取り得る方法の一つであると考え、不完全を自覚したままここに晒す。

まぁ、要するにいつもの戯言でありますゆえ、ごゆるりと。


こんてんつ

  1. 与えられる前提が不完全
  2. ブラックボックスの解体
  3. とりあえずそのゴミクズを晒せ

与えられる前提が不完全


生き延びるためには、与えられる情報を信用してはならない。それが入社して僕の学んだ核心の一つである(←やさぐれてるわけではない)


仕事が発生する。仕事を任される。
個別の作業をスタートする時、目的を達成するために必要な情報やリソースが最初から与えられると思ったら大間違いで、前提条件はいつでも不完全である。

これはひょっとしたらウチのようなドの付くベンチャーに特有なのかも知れない*2が、「さあやってね」と言われた時点では材料はスカスカだ。
ここが、あらかじめ答えの与えられている試験やらゲームと違うところであって、とにかく「その通り」にやってるだけでは破滅へ一直線に進む。

「さっき言われた作業やってたんですけど、ここだけうまくいかなくて」「あ、ごめん。ここは普通とは違う仕様なんだよ」
「これ必要だと思うんですけど...」「あれ、渡してなかったっけ」


個人的にはこれが面白い、と思うんだけどな。考えない単純作業よりも、考えるプロセスが入った方がいい。面白いと思うんだけど、哀しいかな、まだ"不完全な前提条件"の元で効率よく仕事を回すコツが掴めていない。


ブラックボックスの解体


さて。先の「前提条件は不完全」であるという事実から必然的に導かれるのは、仕事の全体像を最初から見渡すことは(僕ら新人にとって)不可能である、という悲しい現実だ。

簡単だと思ったPJが全く簡単じゃない。すぐできると思った作業に丸一日かかる。こーゆー時、めっちゃ悔しい。

僕はこの原因を「作業内容が具体的に見えていないまま作業時間を見積もってしまう」ことにあると考えており、この問題を解決する唯一の手段は、単純に、具体的になっていない作業を具体的にすることだ。

格好良く言うと"WBS"...Work Breakdown Structureとでもなるのだろうが、僕は、「中身が見えない仕事をぶちまける→どえらいものがたくさん出てくる」という個人的な経験/イメージからブラックボックスの解体」と呼んでいる。


ブラックボックスを渡されたとき、表面的にはとても簡単に見える事がある。そこで「簡単そうだから後でやろう」と置いておくと、いざ取りかかろうとして箱を空けたときにタスクがあふれ出し、期限内にとても終わらないことがその段階になって判明し、結果として破滅する。

だからブラックボックスが手元にあるなら、とっとと解体してしまうことが一番。具体的に落とし込んでから、対応を決めるのが安全だ。


ところが、どうしても、何を聞いても、いくら考えても、ブラックボックスをうまく解体できない仕事があったりして困っている。解体に時間がかかって、作業が進まない。アウトプットだけ見たとき、何も仕事していないように見えてしまう。


解体の方法がよく分かっていないのは「経験というストックが不足している」からなのか「考え方がそもそも違っている」からなのか。

「なんでそんな所まで見渡せるんですか」という疑問には、上司からは「純粋に経験だよ」という答えが返ってくる。確かにその通りなのかも知れない。しかし、もし仮に純粋な経験問題だとしても、ただ年を重ねるだけで*3同じものごとが見えるようになるのだろうか?そうではない、と僕は思う。同じ年数だけ社会人として働いた人間が、全く同じ能力を持っているかどうか、少し見渡して考えてみるとすぐ分かることだ。


とりあえずそのゴミクズを晒せ


「純粋な経験量の問題」である問題に対して、先人の知恵を借りればすぐ分かるのに自分で頑張りすぎて結局効率が悪い、という罠がある。副社長曰く「理系にありがちな完璧主義」であり、僕がよくハマる部分でもある。

先日、同僚であるところのid:rindai87と電話してて言われたこと。

Hashは簡単なことを知らないがために詰まってる、というパターンが多い。
一つヒントもらえば解決するとこかもしれん。
俺らはどうしても引き出し少ないんやから、ポッと誰かに聞いてみるといい。

そもそも進む方向がわかってないとどうしようもない。
進む方向的なモノは、やはり先輩に聞かないとわからない。


僕は車輪の再発明が大好きなようだし、他人の考えた結論を分解してもう一回再構築しないと使えない人間なのかもしれないが、実際そんなことしてると仕事の文脈ではふつーに無能
自分でゼロから考える、という性格の価値はそれなりにあると思っているのだが、上司の言葉を借りれば「仕事には制限時間がある」ため、自分なりにやってみてあるポイントで切り上げて先輩や上司に質問、という流れが一番効率が良い。

それほどまでコストをかけられない/価値を見出していない問題や、思考を深めるだけの材料を未だ持っていない問題に直面している時は、"パッケージ品"を利用すると良い。

思考を二級品に貶める局所最適解の害悪 - ミームの死骸を待ちながら

※ここでのパッケージ品=先人の知恵/経験/蓄積。

言い換えると「さっさと(議論の叩き台になる)β版提出しろや」ということになり、僕もこの法則性自体は自覚しているんだけど、"切り上げ所"を判断するのがどうも苦手らしい。



その要因として、僕がβ版として"ゴミクズ"しか準備できないことがある。加えて、僕は妙に(自分に対する)期待値が高いからか、ゴミクズを先輩/上司に「これ作ってみたんですけど...」と提出することに抵抗感がある。

そしてこの間、β版としてゴミクズを提出することができないまま本番に挑んで爆死するという失敗をした。本末転倒である。
その日、僕は「いざその場に臨むと自分がゴミしか準備してない/ポイントを外していることがよくわかる」のに、「じゃあそれを防ぐためにどう準備すればいいのか」がわかってない、ということに気が付いて愕然とした。なにもわかっていない。


どうも自分の中で設定している「β版」のハードルを、想定よりも大幅に下げる必要がありそうである。それほど僕は無能なのである。悲しいことに。
入社初日に「学生時代に覚えたことは忘れろ。仕事じゃ使えねえから」と言った上司の言葉が、今になってじわじわ来る。


そんなこんなでひとしきり落ち込んだ後「先人の知恵を取り込む割合を今より増やす」方針で努力し直す決断したのは、まだ今週のことだ。


発展途上も良いところ。途上はいいけど、どこかに繋がってんのかね僕は。


いじょ。


最初に「僕なりの仕事の"法則性"というか"核心"」を書くと言ったけども、いざ書いてみると新人ならではの不安が結構漏れ出ている。

まぁ、先が見えずに不安になることもあるが、僕に必要なのは、地面を確かに踏みしめて進んでいることを確認したら、後はとにかく日々を無駄にしないことだ。
いま見ているものをよく観察し、いま経験していることをよく記憶し、活かし、なんとしても次に繋げることだ。


発展途上の意志にとって迷いや不安が不可分なものだとするならば、僕に出来る最良のものごとはそういうことになる。

知恵の最後の結論はこういうことになる。およそ自由も生活も、日毎にこれを闘い取ってこそ、それを教授するに値する人間と言えるのだ、と。
ゲーテ "ファウスト"

おまけ

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*1:「24歳の段階で真実だと思うものごと」という記事でも書きますかね。気が向いたら。と言って書いた試しはほとんど無いが。

*2:加えて新卒第一期ということもあり、まっさらな新人に何から詰め込めばいいのか、という問題に対する社内コンセンサスが固まっていない(のではないかと予想)

*3:もちろん日々の仕事に手を抜くわけではないが