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ミームの死骸を待ちながら

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators. We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators. - Richard Dawkins "Selfish Gene"

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators.
We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators.
- Richard Dawkins "Selfish Gene"

HIVに無効化されてしまうヘタレなHIV防衛機構を強化しようという研究

おもろい研究紹介 bio


久しぶりの[おもろい研究紹介]カテゴリです。完全専門外なので軽く勉強しながら書く。
京大の高折講師らとエイズ予防財団の白川研究員らが、HIV増殖を抑える新たな仕組みを発見したという話。

人間が持つAPOBEC3Gというたんぱく質はもともとHIVの遺伝子を変異させて増殖を妨げる働きを持つ。しかし通常はHIVの「Vif」というたんぱく質の働きで分解されてしまう。研究チームはAキナーゼというリン酸化酵素の作用でAPOBEC3Gの構造が一部変わると、分解されにくくなるのを解明した。

NIKKEI NET(日経ネット):HIVの増殖抑制、京大など仕組み解明 治療薬開発へ前進


原著論文はこちらです*1。アクセス権のある人はFull Textもどぞ。
Abstractは以下のとおり

Deamination of cytidine residues in single-stranded DNA (ssDNA) is an important mechanism by which apolipoprotein B mRNA-editing, catalytic polypeptide-like (APOBEC) enzymes restrict endogenous and exogenous viruses. The dynamic process underlying APOBEC-induced hypermutation is not fully understood. Here we show that enzymatically active APOBEC3G can be detected in wild-type Vif(+) HIV-1 virions, albeit at low levels. In vitro studies showed that single enzyme-DNA encounters result in distributive deamination of adjacent cytidines. Nonlinear translocation of APOBEC3G, however, directed scattered deamination of numerous targets along the DNA. Increased ssDNA concentrations abolished enzyme processivity in the case of short, but not long, DNA substrates, emphasizing the key role of rapid intersegmental transfer in targeting the deaminase. Our data support a model by which APOBEC3G intersegmental transfer via monomeric binding to two ssDNA segments results in dispersed hypermutation of viral genomes.

ふむむ。元々身体にはAPOBEC3Gによる*2HIVの防御機構が備わっているのだが、HIVはその防御機構をキャンセルして細胞に感染してくる(さすがHIV)。この「キャンセル分子」はVifと呼ばれ、ちょっと前まで*3は機能が謎だったらしい。


高折さんの研究室はVifの機能が明らかにされる前からこの分子を研究してたが、どうやらVifは、HIVウイルスが細胞を攻撃するとき「防御機構を壊す」役割をしていることが明らかになってきた

我々の研究室では、数年前よりVifの研究を行っていますが、現在はこのAPOBEC3Gという分子を中心として研究を展開し、世界に先駆けてその酵素活性と抗ウイルス活性の相関を明らかにしました。

HIV-1研究グループ

ので、よっしゃとばかりにAPOBEC3Gと絡めて研究を展開した、らしい。APOBEC3G自体も結構新しいようだ。APOBECファミリー自体、いろんなウイルスに対する防御機構を展開しているそうな。

APOBEC3Gは2002年に同定されたまったく新規の抗HIV-1宿主因子である。本分子は、cytidine deaminaseに保存されたアミノ酸配列を有するDNA変換酵素であり、HIV-1ウイルスのマイナス鎖DNAのdCをdUに変換することにより、HIV-1の複製を阻害する。

研究内容


こういった背景をふまえて、今回の論文では何が新しいのかというと、、、Aキナーゼでリン酸化したAPOBEC3GはVifに分解されにくいよ!ということらしい。なるほど。

intersegmental transferあたりちょっとよくわからん。


あんま関係ないけど


このページめちゃかっこいい

VIRIONS are virus particles

ウイルスは男のロマンです。

*1:Nature Structural & Molecular Biology 15, 1059 - 1066 (2008)

*2:APOBECによる?

*3:といっても10年くらいたつのか?