ミームの死骸を待ちながら

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators. We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators. - Richard Dawkins "Selfish Gene"

We are built as gene machines and cultured as meme machines, but we have the power to turn against our creators.
We, alone on earth, can rebel against the tyranny of the selfish replicators.
- Richard Dawkins "Selfish Gene"

物理に関する思い出と、最高学府の活用


高校三年の時、理系の端くれとして物理にハマった時期があった。地道に計算していくとどんな問題でも解けるのが爽快だった。その後押しをしてくれたのが、このサイトだった。

EMANの物理学 趣味で物理学

EMAN氏の説明が非常にうまく、助けになった以上に、かなり知的興奮を感じたものだ*1。最近は本も出したらしい。高校の退屈な授業の先に、広い世界を感じることができた。


…ただ僕は数学計算が異様に遅かった。ひとつひとつ確かめてからでないと次に行けないのだ。確かにEMAN氏の説明は書籍、授業*2、他のWebサイトで見た中でも群を抜いて丁寧だった。しかし、じっくりと計算して好奇心を満たすには、受験生に与えられた時間は余りに少なかった。結局数ヶ月ハマった後、問題の解法だけを覚え、興味は受験英語に移っていった(昔から飽きっぽかった)。


なぜこんなことを書くかというと、

生体分子のコンピュータシミュレーションを扱うにあたり、シミュレーションプログラムの原理を勉強する必要が出てきたからだ。
大学3年までの授業で熱力学・量子力学の"かじり"程度は勉強していたが、もはや忘却の彼方だった。実を言うと、3年の物理は切った。

これは数学全般に言えることなのだが、

僕が物理で最も苦手な部分は、教科書と教授はまるで先が見えているかのように(実際そうなのだが)、僕には思いも寄らない方法で計算し、置換し、代入していく所だ。
置いて行かれた気になる。自分の無能さと教科書の身勝手さにイライラしてくる。その一つ一つに「なんでそんなことをするんだ?」と考えていたら、疲れてしまったのだ。


再び物理を勉強するにあたって、基礎的な部分の理解には、先の「EMANの物理学」に加えて

物理のかぎしっぽ

が非常に役立っている。計算が遅く、ささいなことで躓くのは変わらないが、4年前よりはイイトコロまでいけそうな気がする。
細かな定義については英語版のWikipediaで確認すれば良い。よくできた世の中になったものだ。
これが梅田氏・茂木氏がフューチャリスト宣言 (ちくま新書)で言及した「世界の最高学府」か。それはどこかにあるものではなく、分散する情報を元に、自分で統合する教育機関であるようだ。

*1:EMAN氏のパーソナリティを少し知り、個人的にファンになったという事情もある。

*2:田舎だったので、予備校の有名講義なんてものを受ける機会は無かった